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久保たかし:インターネット老人会向けのアイドル

浅生楽垢に戻ってきたところ、大杉君やりな様がご馳走してくれるというので、先の週末、実に2年ぶりにめんたね事務所まで出かけてきた。大杉君の満洲餃子やりな様のラム料理や今までに輪をかけて美味かったが、帰り道はしたたかに酔っ払って記憶も曖昧になり、朝目覚めたら両膝と右肘に痣ができていた。

ワインをボトル一本ぶんくらいは空けたはずだが、自分はその程度で酔い潰れるほど酒に弱い人間ではない。原因は明快で、宴の最中に久保たかし氏の配信動画が流れていたからである

彼の話はなかなかに分裂生成的なところがある。まず顔はインドの高僧のように精悍なのに話の内容がしょうもないということがあり、真剣な表情で全く理解不能なことを言うので、じわじわとこちらの認知が歪んでいくのである。素面の状態であればまだ理性が保てるのだが、酒が入った状態で彼の話を聞き続けていると、次第に自分の認知の歪みに抗えなくなっていくのだ。俗に言う「バッドトリップ」である。

そんなことを呟いたところ、旧知の有識者から「君子サークラに近寄らず、ですね」という言葉をいただいたよう久保氏が自分のサークルをいくつ潰そうが私の知ったことではないが、私の膝を潰されてはたまったものではない。自分は頑健な足腰を己のアイデンティティの礎にしているところがある。幸い膝の痛みはだいぶよくなったが、サクッと徒歩で乗り換え駅をショートカットしたり、高低差を上下動したり出来なくなる自分を思い浮かべるだけでも背筋が凍る。これは貴重な警告であると自分は判断した。今後はあまりあの界隈には近寄らず、安全圏で高みの見物を決め込もうと思う。

久保氏に他人の認知を歪める能力があるということは何も私に限った話ではないようで、数日前には大杉君が久保氏の「革命基地」が荒らされている様をスクショしてTwitterにあげていた。その荒らし方というのもいわゆるインターネット老人会的な気色の悪いあれで、あの人たちもいい歳してここまで幼稚なのは、だいぶ久保氏に認知を歪められてしまっているのだろうな、ということを改めて感じる。

一昔前に「○2病」という話をしたことがある。「世の中はクソ」というのが「中2病」だとすれば、そうした幼稚な自分を他人に自己投影して叩く「世の中はクソというやつがクソ」が「高2病」である。その後は「大2病」「社2病」「親2病」という形で、ライフステージが上がるごとにこじれていく。久保氏というのは清々しいほどの幼稚さを放散する「中2病」のエリートで、その凄まじさに狂わされたインターネット老人会連(こちらは「高2病」文化である)のアイドルになっているのだな、という構図も、おかげで理解することができた。こういう様というのは向こうの垢にいる時に何度か見かけたことがあって、要はやけに世間知らずでぶっ飛んだ発言をするハロメンをからかったり、したり顔で苦言を呈したりするヲタクのそれである。ただ、この手合いはだからと言ってアイドルの成熟を望んでいるわけではない。何故ならばアイドルにそれをされてしまうと「実のところ本人は未成熟なままに、あからさまに未成熟なアイドルの上に立てる美味しい状況」が損なわれてしまうからである。その意味ではこうしたヲタクはアイドルに対してひどく依存的な状況にあると言えるだろう。

ちなみに中2病は中2病のうちに治療しておかないと成熟には繋がりにくい。というのは高2病以降になると下手に「自分は成熟している」という自己認識だけはあるので、病識を持つことがどんどん難しくなってくるからだ。その意味ではまだ妙な「変異」のない、野生のままの株である久保氏が最も「成熟」に近いところにいるのかもしれないので、尾谷幸治氏の試みが成功することを心より祈りつつ、私は膝を庇いながら退場したい。

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