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卵巣チョコレート嚢胞の腹腔鏡手術 なるべく詳しく体験記。4章:入院2日目(手術日)(杏樹)

2021年7月2日 6:00 起床。
今日は終日何も食べられません。寝るときは緊張しませんでしたが、起きてからはやはり手術が怖く冷汗が滴り落ち、体温も緊張しすぎて37℃台をキープ。

2021年7月2日 7:00 二度目の浣腸。
覚悟はできていましたがやはり慣れるものではありません。心身共にしおしおになります。

2021年7月2日 10:30頃 最後の飲水。
ここから明日まで水が飲めなくなります。喉が渇くのが嫌だったので、500ml飲む指示があったところ800mlくらい飲んで備えます。
実は手術当日大事な会議があり、この時間くらいまでこっそりPCで仕事をしていました。インターネットとは便利なものです。

2021年7月2日 11:30 家族が病室に到着。
コロナウィルス対策のため家族の面会は制限されていたのですが、手術当日は家族1名のみ来訪OKだったため、夫に仕事を休んで来てもらいました。
大量のゼリーやアイマスクやノイズキャンセリングイヤフォンなど便利グッズを運び込んでくれました。そして絶食中の私の前でいそいそとランチのメンチカツ弁当を食べ始めます。(意外とそんな普段のやりとりに癒されたりもします。でも匂いでお腹が空いちゃうよ…!)

2021年7月2日 12:00頃 弾性ストッキングを履く。
白くてぴちぴちにキツい医療用ハイソックスです。足首~ふくらはぎを締め付けることで、しばらく寝たきりでもエコノミークラス症候群(血栓のつまり)を防ぎます。

2021年7月2日 12:20 手術室へ。
看護師さん・夫とともに歩いて手術室へ向かいます。夫とは手術室の入り口でお別れ。遂にその時がやってきました。
手術室は本当にドラマで見るような機械がいっぱいある場所です。事前に音楽とアロマの要望を聞かれたので「ショパンとラベンダーで」と答えたら、本当にショパンが流れており、室の入り口はラベンダーの香りがしました。

事前に書いた書類を看護師さんと簡単に確認し、服を脱ぎキャップをかぶります。そのまま自分で手術台に寝そべます。(ベッドというよりも人型の台でした。)まな板の上のめだかです。

看「手の甲に点滴しますね~酸素マスクつけますね~」
私「はヒィ(うわ手の甲の注射は痛そおおおおおお(´;ω;`))」
看「手の甲の血管が細くて刺さらないですね。」
看「では眠ってから再チャレンジしますね。大きく息を吸ってください。」
私「(あれ点滴で麻酔と聞いていたけれども眠ってからって…?)」
看「もっと大きめに吸ってください~」
私「すみません、この酸素マスクなんか変なにお…」☆
看「杏樹さん無事終わりましたよ~」☆
私「(ほぇ?)」
~ベッドが運ばれているであろうカラカラ音~

※このとき音は聞こえていますが視界はしばらく真っ暗なままでした。
※☆間に70分が経過していましたが、私は一瞬意識が途切れただけでした。

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2021年7月2日 14:00 手術後自室に戻る。
2時間と聞いていた手術は70分間で終了。出血量も10mlと非常に少ないものでした。はじめ15分程度は音だけがかすかに聞こえており、だんだんと視界もクリアに。夫が全力で涙ながらに応援してくれている声が聞こえます。

意識が戻ってくると、今度は全身やあごの震えが止まらない。酸素マスクをしていても息が苦しい。点滴をしている右手が非常にしびれる。「これは油断したら死ぬ…」と感じる時間が30分程度続きました。これは術後のシバリング(寒い時のようにガタガタ体が震えること)と一種のパニック症状とのことでした。看護師さんがすぐに電気毛布で体をあっためて下さり、だんだんと生命の危機を感じる症状が治まってきました。

実は術後、意外と傷の痛みは感じていないのです。点滴しているロキソプロフェン(鎮痛剤)の効果かもしれませんが、手術痛みのレベルは個人的には虫歯くらいでした。つまり、痛いけれどじっとしていれば全然耐えられるレベル。痛みはレベル1-10で答えるよう病院で言われていましたが、術後の痛みレベルは3-4くらいに感じました。え、浣腸の方が肉体的にキツくない?

2021年7月2日 16:00 絶対安静時間終了
2時間も経つと意識がはっきりしてきます。まったく動けないところからベッド上で手足が動くようになりました。苦しさもなくなり酸素マスクが外れます。そしてこの時に自分が様々な管につながれていることに気づきます。

①酸素マスク@口←今外れた
②心電図モニター@胸
③血圧計・パルスオキシメーター?@左指
④水分と鎮痛剤の点滴@右手甲
⑤膀胱留置カテーテル@なんか股間から繋がってる
⑥フットポンプ@両ふくらはぎ(マッサージ機的なもの)
⑦ドレーン@どれかの手術の穴から繋がっている
→ドレーンという管からは赤茶色い謎の液が体内から出続けていました。

看「もう体をベッド上で左右に動かしてもいいですよ~」
私「(いや無理やで… 封印されしエグゾ○ィアだもの…)」

どの管も違和感や動き辛いストレスはあれど、繋がれている事に対する痛みはありません。この時の手術の傷の静止時の痛みは3、体を左右に動かすと5です。

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2021年7月2日 17:00 スマホが与えられる。
家族、両親、上司に無事手術が終了したことを連絡します。
指だけは自由に動くのでYoutubeで面白動画を探しますが、笑うと腹筋が痛み6なので、ひたすら海外在住Youtuberの旅Vログと癒しのペット動画を見て過ごします。フランスのパティシエのお菓子動画を見てやっと空腹を少し感じ始めます。

2021年7月2日 20:00 漫画を読む気力が出てくる。
2時間に1回くらい看護師さんが膀胱留置カテーテルとドレーンの廃液交換と傷口チェックに来てくれます。看護師さんは皆さま本当に優しく、天使のようです。惚れてまうやろ。普段の自分の仕事にとっても学ぶことが多い素敵なご対応でした。

動かなければ痛みはそこまで感じなかったので、6本の管に繋がれたまま、寝たり覚醒したりを繰り返しながら翌朝を迎えました。

5章へ続く。


<コラム:結婚指輪は外せますか? 成功を祈るお守り>
手術中は指輪を外さなければいけませんので、事前に結婚指輪が外れることを確認します。病院への高価な貴金属の持ち込みはNGですが、私はお守りとして、夫とプーケットで買ったペンダントと、作家さんに作っていただいた100年前のボヘミアアンティークガラスのペンダント←長寿にあやかりたいと考えた をこっそり持っていきました。辛いときちらりと見るだけでも、また夫と旅行に行きたいな、新しい体験をいっぱいしたいな、と前向きに生きる活力の源になるものでした。どちらも高級なものではありませんが、思い入れがとてもあるものでした。

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