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人工股関節置換手術のあとさき31 退院までに自宅で準備したこと

退院までにしておいた自宅の準備は以下のとおり。

① 手すり設置
手術後1週間くらいして、看護師さんが自宅の様子を聞いてきた。
すなわち、
家の中に段差はあるか?
2階建てか?2階は使っているか?
そうだとしたら階段に手すりはあるか?
玄関の上がり口に段差はあるか?
お風呂の湯船の深さはどれくらいか?
などなどである。

我が家は築27年だが、わたしたちが30代の時に建てたので、将来のことは何にも考えてなかった。当時バリアフリーという言葉もまだまだ認知されていなかった。
道路から玄関に入る前にも段差があるし、
玄関の上がり口にも段差がある。
外構を含め、階段やトイレなど家のどこにも手すりはない。

看護師さんの質問に答えながら、わたしは暗澹たる気持ちになった。

そのころは、リハビリしてもしてもまだまだ筋肉の膠着が激しく、なかなか思うように脚が動いてくれない状態だったので、玄関の段差も越えられず家に入れないのではないか、とますます不安が募る。

階段を登るなんて夢のまた夢。
もう2階の寝室をあきらめて1階の和室に簡易ベッドを置いた方がいいのではないかなどとも考えた。

でも、実際のところ我が家の1階はそれほどスペースに余裕がない。
そこに簡易ベッドを据えるイメージがどうしても湧かなかった。

それで、階段と玄関の上がり口に手すりをつけてもらうよう夫に頼んだ。

業者さんの忙しい時期だったが、退院の2日前に、夫から「手摺りがついたよ」と写真が送られてきた。思ったよりも細かいところまでつけられていたし、トイレにもついていた。頑丈な手摺りはとても頼もしく思えた。

わたしの術後のためだけではなく、わたしたちはこれから歳を重ねていく。その時に手摺りがあるのはとても心強いと思う。

② お風呂の椅子
病院では2日に1度シャワーを使った。病院のシャワールームには背もたれのある4本足の椅子があった。通常の風呂椅子よりも少し高い。
この椅子はとても安定感があるし、座面が高いのでシャワーをする時に身体をあまり曲げなくてもいいので楽である。

ここまで立派なものではなくても、座面の高い椅子があると楽だなあと思ったので、ネットで35cmの高さの風呂椅子を注文しておいた。
これは買ってよかった。シャンプーが格段に楽である。
歳を重ねるとだんだん前屈がキツくなるので、これは夫にもよかったと思う。
(なお、我が家の風呂の湯船は昔ながらの深いタイプだが、いざ入ってみると術前よりも脚の付け根の可動域が広くなっていたので、らくらく入れた。風呂を新しくしなくてよかった^_^)


③ ソックスエイド
術後前から前屈が難しく靴下を履きにくかったのだが、術後はさらに履けなくなった。一度足袋タイプの靴下が履けなくてリハビリ士の方に頼んで履かせてもらったことがある。
なんとかならないかとググっていたら「ソックスエイド」なるものを見つけた。これはお年寄りや足腰の悪い方がひとりで靴下を履けるようにサポートするものである。
説明文やレビューを読んでいたら、わたしと同じような方が使っていて便利そうだったので、ネットで買って退院したら使おうと思っていた。

ところが。
リハビリが進むうちに股関節の可動域が広くなって、少しずつひとりで靴下を履けるようになってきた。
(術前よりも履きやすくなった)
なのでせっかく買ったけど帰宅してからは、試しに一度だけ使っただけだ。

どんなものかと使ってみたら。ものすごくスムーズに履けた!これはスグレモノだと思う。
これは術後しばらく病院で使うといいかもしれない。
また、身体が硬い高齢の方にはいいかもしれない。

同じ品物でも値段もまちまちなので、いろいろ見てください。

④(番外)玄関の上がり口のステップ板
玄関の上がり口に段差があるので、当初ステップ板を用意してもらおうと夫に頼んでいたのだが、我が家の玄関がそれほど広くないのと、上り口の高さが階段の一段と同じ高さだったことから、つけなくても大丈夫じゃないかと言われて、もし帰ってみて必要なら買おうということで準備しないままで退院した。
帰ってみると、上り口に手摺りがついたおかげでステップ板がなくても上がれた。
なので、これは買っていない。
これは家によって玄関の広さや高さが違うので必要ならば準備しておくといいと思う。

退院までに自宅に用意したものはこれくらいである。

準備のことを考え始めた時は、わたしのリハビリもなかなか進んでなかったので、その状態で退院することを想定してしまったが、実際にはリハビリは加速度的に進む。昨日までできなかったことが今日はできたりするので、焦らなくてもいいと思った。

(まとめ)
今後の暮らしのことを考えると、手すりはつけてよかったと思う。階段を上る時の安心感が違う。

風呂椅子も、絶対に必要かと言われればそうでもないけど、それほど高価なものではないので買ってよかったと思う。


現在退院3日目。
まだまだ身体の動きも不十分なので、不自由なこともあるが、少しずつ術前の暮らしに戻していく。いや、それ以上に動けるように整えていく。

余計なお世話かもしれないが、これから家を買う方は、最初から手すりをつけておくといいと思う。その方が家にマッチしたデザインになるし、いつか役にたつ時が来ると思う。

以上が退院までに自宅に用意したものです。なくてもよかったかもしれないが、何かの参考になればと思います。
(でもやっぱり手すりは付けてよかった)

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