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人工股関節置換手術のあとさき 番外編

退院の日は、午前中にリハビリを受けて、その後お昼前に病院を後にした。

迎えに来てくれた夫と、まず向かったのは地元のそば屋。
通い慣れた懐かしい味が嬉しかった。

店に入る際に少し段差がある。
以前は気にもならなかったが、術後はちょっとした段差も気になる。

病院で階段の上り下りの練習もそこそこしていたので、わたしはパッと見てたぶん行ける!と思ったのだが、
先に段を登った夫が振り向いて、わたしの方に向き直って、ほんの少し躊躇した後そっと手を差し伸べた。
(まるで中世のナイトのように笑笑)

術前もわたしはかなり不自由な歩き方をしてきたのだが、彼は今までそんなことをしてくれたことがなかったので、わたしは一瞬戸惑ったが、ありがたくその手のひらにわたしの手のひらを重ねた。

ほんのりと嬉しかったのは、およそ外ではそんなことをしない、とてもシャイな夫が、今回の手術の大変さを共有してくれているんだなぁと感じることができたから。

きっと、今後は少しずつ回復していくので、これからはもうそんなことはないと思う。

この日の夫のやさしさを覚えておこう。そして、なにか夫に対して気持ちがささくれだった時にこの日のことを思い出せればいいなと思う。

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