人工股関節置換手術のあとさき33 身体はちゃんとこたえてくれる!
退院5日目。
今日は、退院後初めての通院リハビリの日だった。
生まれついての股関節脱臼があったからか、それとも元々の体質か、わたしは運動がものすごく苦手だ。走るのも遅いし何をやっても下手くそで運動コンプレックスがあるので身体を動かすことに興味がなかった。
好きなこと、得意なこともことごとくインドアである。
趣味は、本を読んだり、手仕事をしたり映画を観ること。現在の仕事であるアクセサリー作りもその延長である。あえて挙げれば庭仕事で身体を使うくらい。
一日中家の中で編み物ができたらそんな幸せなことはないと思っていた。
そんなわたしが、今回人工股関節置換手術後のリハビリを受け始めて、やっと筋肉を鍛えることの大切さを痛感した。
そう、変形性股関節の手術後の回復の度合いは、リハビリでいかに筋力をつけるかにかかっている。長年かけて凝り固まった筋肉をほぐして、筋トレで筋肉をつけていく。
この年になって、そして人工股関節置換手術を受けて初めて、わたしは身体を動かすことの大切さを身をもって痛感した。
退院の日に自宅でできるリハビリのメニューをもらった。
退院後は、毎日そのメニューをひと通りこなしている。
今日のリハビリでは、
入院中からずっとお世話になっているリハビリ士の方から、
「よくなってきてますよ。おうちでもちゃんとリハビリしてますね。特にお尻歩きが早くなってる!」とお褒めの言葉をいただいて嬉しかった。(わたしがお尻歩きをしていると、なかなか進まないので、他の方を指導しているリハビリ士の方々にもよく笑われていた)
そう。
毎日の自主トレの積み重ねが、少しずつ少しずつ筋力をつけてくれている。そして、それが目に見えてわかる!
わたしは、体育は苦手だったが学校の勉強はどちらかといえば得意だった。テスト勉強するのも好きだった。
けれども振り返ってみれば、勉強してきた積み重ねがはっきりと結果になって現れたという実感がない。
大学受験などは膨大な範囲の中から出題されるのはわずか数問である。だから、得意な分野が出れば点が取れたし、苦手な分野が出ると取れない。必然的に当たり外れが出て来るのは受験のシステム上仕方のないことだ。(だから受験には諸々の運も関係すると思っている。全ての範囲を網羅できていればいいのだけれどそれは難しい)
だけど身体(筋肉)は違う。
ハッキリとどの筋肉をつけるためにどの動きをするかを意識して、毎日少しずつでもトレーニングすると、身体は必ずこたえてくれる!
(この年になって初めてボディビルダーたちの気持ちも少しわかる気がしてきた)
結果が目に見えるということがこんなに嬉しいことだったなんて!!!
身体ってなんてすばらしいのー!!!
手術後150日は保険でのリハビリが受けられるので、最初のうちはできれば週一で通って筋力をつけて身体を整えたいと思っている。
ありがたいことに夫が車で送り迎えしてくれるので、リハビリの日はふたりで外食をするというごほうびもちゃんと用意している。
今回、わたしは63歳で筋肉の大切さを知った。
遅いかもしれない。
けれど、あのまま手術をせずにたとえば10年過ごしたとしたら、わたしは73歳まで筋肉の大切さを知らずに過ごしていただろう。
わたしにとってこの10年はとても大切な時間だ。
どんどん筋力が衰えてしまう前に、今気づくことができたのはよかった。これも手術の効用だと思う。
一生お世話になるわたしの身体。
関節の取り替えはできても筋肉の取り替えはできない。その代わりいつからでも鍛えることはできる!
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