見出し画像

人工股関節置換手術のあとさき12手術当日の夜

(この日以降の数日は、後で思い出しながら書いている)

手術当日、手術がが終わったのがお昼過ぎ。

「終わりましたよ」と声をかけられて目を開けると、すでに病室だった(ような気がする)
その時夫もちょっと顔を見せた。
(彼はその後主治医から手術の説明を受けたようだ)

痛みはないが、気づけば管だらけ。
栄養点滴、背中から入れる強力な痛み止め
尿管カテーテル
酸素マスク
両ふくらはぎには血栓防止のポンプ、
頭はまだ少しぼーっとしている。

この日は夜間も含めて30分ごとに担当ナースがやってきて、熱と血圧をはかり、異常があればすぐに対処できるような体制をとっていた。

痛くはない。痛くはないのだが、
右脚の倦怠感、だるさが半端ない。
加えて身動きが取れず、どうしようもない辛さに耐えながら眠ることもできず、人生でいちばん長い長い一晩を過ごす。

そんな中、天使のようにやさしいナースの声かけだけが救いだった。

どんな手術もそうだと思うが、同じ手術を受けた方も声をそろえて手術当日から1日目までの辛さを語っている。(例外もある)
痛みの方もあれば、わたしのように半端ないだるさの場合もあるだろう。あと身動きの取れない苦しさ。

それはそうだ。
ヒトの身体の皮膚を切り裂いて、
さらに筋肉を切断して、
その内側の骨も切断して、そこに人工股関節という異物を据える、というのは、大工事である。
(新しい紙でちょっと指を切っただけでもすごく痛いのに!!!)

身体の受けるダメージとストレスは想像に難くない。

わたしの身体!
生まれて初めてのことに驚きつつもよくがんばっている!!!
(がんばるという言葉はこういう時に使うんじゃなかろうか)

人工股関節置換手術は、日進月歩の勢いで進歩していて、受ける人も増えているらしい。それに伴い いい意味での体系化がされてきて入院期間も短くなっている。

さらに
人工股関節置換手術を受けた方のお話を聞いたり、検索してみると、
皆さん、
「やってよかった」
「痛みから解放された」
「痛みを我慢しないで受けてほしい」
などと言われている。

変形性股関節翔の絶え間ない痛みはかなり辛いし、やりたいことができないストレスも大きい。
LOQ(life of quality)が大きく下がる⤵️

手術には大きな不安もあったが、すでに手術を経験した先達の方々のこの声は本当に大きな希望になったし、力強く背中を押してくれた。

3回の手術(うち最初の1回は骨切りというやつ)を受けてきたわたしの母も皆さんと同じことを言っていた。
「何にも辛くないよ。
目を閉じて開けたら全部終わっとるから」と。

わたしも、それをさんざん母から言われて決心した!

だがしかし。
それでもなお術後24時間ほどの苦しさは変わらないんじゃないかと思う。

人は、この、ある意味大変な1-2日間のことをあまり言わない。
わざと言わないのではなくて、
この後の回復や、歩行の劇的な改善を知っているので、あまり記憶に残ってないんじゃないかとも思う。

そういえば、経験者の母も、
「最初1.2日はしんどいけどすぐになるになるから」と言っていたような。

わたしはこの記事を、術後5日経ってから思い出しながら書いているが、術後たった5日たっただけで、あの時の苦しさ、もう2度と嫌だと思ったこと、それらの記憶が薄まってきている実感がある。
(そして、半月もして快適に歩くようになる頃には、本当に忘れてしまうかもしれない。これは出産と似ている)
だからこそ、記憶のあるうちに書き残しておきたいと思った。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?