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人工股関節置換手術のあとさき13 翌日からリハビリ開始

さて、
つらく長い夜を何とか抜けて、あたりが明るくなってきた。

担当看護師の見回りの頻度も、30分に1度から1時間に一度、2時間に一度‥となっていく。

まだまだ辛くて動けない。

昨夜は、何とかこの辛い夜を超えて朝が来てほしいと願うのみだったが、朝が来たからと言って何か変わるのだろうか?
このだるさ。
自分では寝返りも打てない。

つらいが、幸いなことに痛みはない。

見回りに来る看護師は必ず「痛みはないですか?」と聞いてくれる。
「痛かったらいつでも言ってくださいね。お薬出しますからね」と。

入院生活において痛みのコントロールがいかに重要視されているかわかった。

それでなくても辛い状況下で、痛みに苦しむことを思うと本当に泣きたくなる。
最近の西洋医学はそこのところをよくわかってきたなあと思った。
西洋医学は、患部を見て人を見ない、などと言われていたが、今は違う。いつどんな時も人を見てくれていると思う。

前置きが長くなった。

こんな状態にありながら、手術翌日にはリハビリの先生が笑顔で部屋に見える。(女性)

心電図と酸素マスクは外れたが、尿管カテーテルと点滴、痛み止めの管はまだついたまま。足のポンプもだ!

それでも、若く美しいリハビリ士はニコニコ笑いながら、
患部のマッサージの後、
「さて、少し歩きましょうか?」
と言った。

歩く⁉︎

わたしは、せいぜい立つくらいかなと思っていたので、正直ビビった!
歩けないと思った。

でも、そう言われたので、慎重に歩行器に移って、一歩また一歩と足を前に出すと何とか歩けた!

歩行器に全体重を預けて、寄りかかるようにしながらよろよろと歩を進める。(歩行器がわたしの命綱)

歩いたのは病室を出て、3メートルくらいの廊下を往復しただけ。
よくわからないが、足はギンギンに固まっていて踏み出すたびに痛みを感じる。

それでも、わたしが歩く!と決めたら歩けた!

人の身体ってすごいなぁ。

しかし、疲れた!
(薬のせいか)少し気分が悪い。

今日のリハビリはここまで。

早々に戻ってベッドの住人に戻る。

明日からもこれが続く。
何だか気が重いなぁ。
本当に歩けるようになるのかなぁ?

今日は不安だらけだ。

翌日のリハビリでは、歩行距離を少し伸ばして、10メートルほど歩いて車椅子用のトイレまで行けた。

行けたと言っても、途中に椅子を用意してもらって休み休みだ。

これを見て、リハビリ士は、
「うーん、ちょっと車椅子用のトイレはまだ無理かな?
でもお部屋にポータブルトイレを置いてもらったら移れるでしょう」と言ったので、
その日に尿管カテーテルが抜かれた。(通常より早かったらしい)

わたしはトイレの回数が多い方なので、正直まだカテーテルでもよかった。

催すたびにナースコールをして、ポータブルトイレに移るのを見守りしてもらい、用が終わったらそれを捨ててもらう。夜もだ。
その夜は、オシッコのセンサーがおかしくなっていたのか1時間ごとにナースコールを押すことになる。
これが何とも申し訳なくて、一度ポータブルトイレに移って用を足してからナースコールをしたら、「気持ちはわかるけど、まだ見守り指示が出てるのでひとりではしないでね」とやんわり怒られた。

患者の早期回復のために、見守りながらも、甘えを許さない。
なかなかのものだ。

その翌日には車椅子用のトイレに行くことが許可される。

そして、その翌日には階下のリハビリルームまで移動してリハビリを受ける。
歩行器を外して、廊下の手摺りを持って歩く練習をする。
というふうに進歩している。

同じところにとどまることを許されない。
毎日次の段階にステップアップしていく!

まるで生まれたばかりの赤ちゃんの成長みたいだ。
子どもは、昨日できなかったことが今日はできる。だからちょっと目を離すとどんでもないことになったりする。

いつの頃から、昨日と同じ今日を生きるようになったのだろう?
この年で、昨日できなかったことが今日はできる、という経験は新鮮で子どもに戻ったようでおもしろい。

リハビリはこんな感じで進んでいる。

この数日は、わたしの内面でも気づきがあった。
それは別の記事にする。

{術後3日目までに全ての管が外された]


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