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些細なこと


さき程まで空にはたくさん
色とりどりの風船が舞っていたのに

夕暮れになり
北よりの冷たい風が
強まり出した頃

不気味な雲は音も無く近づき
突風をかます

バランスを崩せ
逃げ出そうとする背中にも
容赦なく

強い風とコールタールのあめ

おぼつかない足取りで
構築した危うい理論は
破綻しながらたどる
プロセス

あのプロセス
朽ち果てたプロセスとともに
現れたすべてのプロセス チーズ

小さな宇宙から
寝そべったまま、
手短に告白をする

体を起こしビールを飲む

びしょ濡れのTシャツのまま
きみは
先ほどから暗闇の中 千年先を見つめる

虫の音 つきあかり
黒い鉄骨 その先に広がる
背骨のような山の稜線

めくれた端から剥がれ落ちていく
ように
脱ぎ散らかした衣類をまたぎ

部屋の隅のコンセントを探す

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