読書感想文に思う

「あんなものなくなればいい」
「なんで毎年出るの?意味不明」
「ネットで文例探してコピペ」

などと、いつの世も疎まれているのが
夏休みの宿題の定番、読書感想文。
「なつやすみのとも」と同じく
なくならない課題のひとつでしょうね。

私はなぜか、普通の作文より
読書感想文を書く方が好きな子どもでした。

夏休みが近づくと「文部省推薦 課題図書」的な
銀色の丸いシールを貼った本が書店に並びます。
学年別に3冊ずつありましたっけ。

平積みになった課題図書を片っ端から開いて
立ち読みでざっと見て
どれを読もうかと選ぶのも楽しかった。

好きこそものの上手なれ、なのか
読書感想文コンクールで何度賞も受けました。
大の苦手だったのは、工作と自由研究。
それこそ「こんな宿題なければいいのに」
と、毎年思っていました。
得手不得手は大人になっても変わりませんね。

さて、その読書感想文ですが、
創作ではなく、あくまでも「感想」なので
書き方にはある程度定石があります。

大事なのは【書き出し】
どんな文章でも同じですが冒頭は大切です。
○ストーリーのなかで最も心に残った台詞を
冒頭に引用してみる。
○自分の読後の印象からはじめる。
○物語のゆくえに思いを馳せて疑問形で書き出す

など、読み手を意識して
課題に選んだ本だけでなく
自分の文章に読み手を引き込みましょう。

冒頭さえうまくいけば、あとは
物語のストーリーに自分の体験を絡めたり
作者の気持ちや思いを代弁したり

作品がストーリーを通じて伝えたかった
強いメッセージを読み取りながら
自分なりのプロットに再構築していくのです。

多少飛躍していても構いません。
作者自身の心情や背景にまで思いを馳せてみても
(それがまったくの憶測であっても)
一つの考察になります。

作品の土俵を借りて
自分自身の物語にすることもできます。
作者と一体になって一つの文章を表現する、
音楽でいえばサンプリング
美術でいえばコラージュのような
楽しみ方があるのです。

夏休みもまだまだこれから。
楽しく本を読み、書いてみましょう。

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