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自覚のない偶像 2

あ、赤色の子が凄く睨んできた。
まあそりゃそうだろう、この状況全然面白くないのだ。
早く終わんねーかなと思いながらぼーっとアイドルのライブを眺めていた。
思えばこれが長い意地の張り合いの口火だったと思う。




行ってみたら案外近かった。
梅田から電車で大体30分くらい、俺は温泉施設に来た。
着いたのはお昼くらいだった。
17時からこの温泉施設は利用料金が安くなるのを調べて見てたので、それまで滝を見たりお土産屋さんを見たりしていた。
温泉に入るまでに疲れてフラフラになろうと思ってメチャクチャ歩いたのを覚えている。
何でこんなストイックな事をしたんだろう。
理由はやっぱり暇だからである。
急に出来た休みを家に居て消化するのがなんとなく嫌だったのだ。
あのクソ上司の思い通りになってたまるかという思いだったと思う。
17時に近くなったので温泉施設に戻り、料金を支払う場所に行くと人だかりが出来ていた。
ふと疑問が浮かぶ。
この温泉施設には何回か来たことあるけど、こんな人の集まる所だったか?
なんというか、熱量の高めなオッサンが集団でいっぱい居る。
なんか気まずい。。
どうやら温泉の宴会場みたいな所でアイドルがライブをやるらしい。
この人たちはそのオタクなのだ。
受付を済ませると着替えて温泉に入った。
さっきのアイドルのライブのアナウンスが定期的に流れてくる。
暇だし行ってみるかな。
アイドルなんてあんまり見たことないし全然しらない人だが、それだけに好奇心がくすぐられた。
温泉を出てジュースを買ったあとフードコートでご飯を食べたあと宴会場に向かう。
来てみたら満員とは言えない、なんというか熱量の高い人たちとそうでもない人で分断されてるような、そんないびつな客層だった。
前のほう空いてる、行ってみるか。

このアイドルの名前、仮にキララとしよう。
このキララ、検索で調べてみると某セクシー女優の名前しか出てこない。
事務所がお笑いの大手の所なのでそこの名前も入れたらメンバーの名前が出てきた。
けっこう年いってる…。こう言ったら失礼だがあんまり可愛い人も居ない。
自分が普段からバッチリメイクのコスプレしてる人と接しているのでハードルが上がってるのもあると思う。
まあ見てみよう、見てみたら面白いかもしれない。

ライブが始まる。

3に続きます

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