見出し画像

創業1周年を経て思うこと。

2024年2月1日。&PUBLIC(アンドパブリック)は2年目に突入しました。

「公共の力をともに革新しよう」をコンセプトに、組織や事業の創出する社会価値の可視化・最大化を支える各種支援プログラムやインパクトマネジメントツール「パーパスボード®️」の開発・提供に取り組むインパクトスタートアップ。

そんなふうに自分たちを定義して、世の中に価値を届けるべく進んでいます。

昨年取り組んできたプロジェクトのなかでも自治体領域の象徴的なものとして奈良県生駒市と取り組んだ「シティプロモーション施策の社会価値を可視化するチャレンジ」がありました。(詳細は同市がリリースしているこちらをご覧ください。)

シティプロモーション事業がめざす成果と道筋を整理した「価値創造モデル」

一言で言いますと、10年間のシティプロモーション施策の「意味と意義を見える化」すべく、市民のみなさんと一緒になって変化を集め、整理し、仕事が為すべき本当の成果を再定義した挑戦でした。特に、この価値創造モデルを埋め込んだコミュニケーションレポート「インパクトサマリー」は、他自治体においても、政策の可視化や市民との対話の出発点になる可能性を秘めていると、公開後の反響の大きさからヒシヒシを感じています。(ぜひ、関心のある自治体の方、お気軽に&PUBLICのウェブサイトよりお問い合わせくださいね。)

価値創造モデルも含めて対話のきっかけとなるように制作した「インパクトサマリー」

自治体領域で言うと、これ以外にもPFS(成果連動型民間委託契約」という、自治体が事業がうみだした社会的インパクト(社会的・環境的成果)に応じて、成果連動で支払をするという契約手法に関して、私たちが開発しているツールを活用するお話が進みだしたりしています。創業前に頭に浮かんでいた「妄想」が、少しは「構想」に変わり出した1年だったと感じます。

民間領域はというと、こちらも「事業がうみだす社会価値を可視化したい」というお話が増えています。

働く仲間たちと共通のめざす旗を掲げるために、自分たちの会社の社会における存在意義を明確にしたいというケース。投資家をはじめとした企業に関わる多様な関係者が「単に売上を上げればいい」から「どのように社会・環境にポジティブな影響を与えられているか」を問う価値観の変化によって、必須の取り組みとして相談を受けるケース。

どちらにも共通することとして、「売上の先にある事業を営む本当の目的を言葉にし、辿り着けるようにみんなで進んでいく」というのが必要になっている現在の潮流は、戻らない大きな大河になってきたように感じています。

僕らの社会には、変化が必要なルール、仕組み、価値観などが複雑に重なりあった「構造の暴力」がさまざまな領域にまたがり、無数に存在していると感じます。時に、こうしたものが「誰かの大切な想い」を潰してしまったり、「内から湧き出る熱量を奪っていく」場面を、この1年でも、たくさん見てきました。

だからこそ、思うことがあります。

&PUBLICでやりたいことは、「社会価値をうみだすための設計図を綺麗な言葉で、それっぽく計画のようにまとめること」ではないんですよね。

むしろ「言葉にしにくい情熱」、「数値で表せない感性や美学」など、「大切にしたいものを大切にできるようにしたい」ということが僕らが今取り組んでいる社会的インパクトの可視化という仕事の本質だと思っています。(自分たちにとって、です)

社会課題を解決するために挑戦する人は、多くの場合、「自分が大切にしたいと思えるもの」が「大切だと思えない人」との間に「橋」をかけなければいけなくなります。

例えば、「テマヒマをかけることの素晴らしさを伝えたい人」が、その時間がとれない人や、それを大切だと思えない人に、どのように届けていけるのか。

例えば、「こどもたちが自然のなかで学ぶ探求の素晴らしさを知っている人」が、怪我のリスクや学力ばかりを気する人にどのように届けていけるのか。

何か1つが「正解」ならば、苦労はないんです。ですが、社会のなかにはそれぞれの「正義」があって、その「正義」はそれぞれの物の見方から生まれている。その価値観と見ている「世界」からその人なりの「正解」を考え、行動している。

市場だけが相手ならば、相手の課題を満たせば済む。自分が大切にしたいものを同じように大切だと思える人、つまり「わかってくれる人」だけと「世界」をつくるるなら、こんなことを考えるこそは不要かもしれない。

でも、そうでないならば。

自分が感じる素晴らしさを1人でも多くの人と分かち合い、提供できる知恵や機会を1人でも多くの人に届けたいのであれば、きっと相手との間に何らかの「橋」をかけることは大切な一歩になると信じています。

「社会価値の可視化」に取り組んでいるとよく言われる「大切なことは見えないことが多い」という言葉。

けれど、僕らは同時に思うんです。僕らにとっては、それは「大切なことを伝わるようにする努力を諦める理由にはならない。」

&PUBLIC(アンドパブリック)は、あなたの大切な想いから出発し、それがこの世界に暮らす多くの人に伝わり、愛され育まれるものに変えていく。その過程をともに歩みたいと強く思っています。

創業して1年。大切にしたいと思える想いにたくさん出逢うことができました。そうしたものを、僕らは社会価値を見える化することで、一人や一つの組織の願いが、たくさんの人とともに育めて、未来に繋がるものにしていきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?