骨噛みという喪|遺族の骨を食べる

遺族の骨を食べたくなりました。おかしくなったんじゃないかと思っていろいろ調べました。「骨噛み」の風習について書きます。

さみしい気持ちが募るあまり
その気持ちが自分自身を飲み込む

ほねと髪の毛を食べて
さみしさを埋めようとする

あなたが生きた証

ほねを食べたらあなたと一緒に生きられる?

自分を飲み込んだ気持ちはもう普通じゃない
乗っ取るようにその気持ちが私を満たす

その気持ちが私の五感を支配し
イメージが生起する

生起するイメージは行動を促し
私を支配する

さみしさが募り
わたしはようかいになる

妖怪


 骨噛み

 遺骨を食べるなんて考えたこともなかったのですが、自分の中にそういう気持ちがあることに気づきました。異常なんじゃかいと思って調べてみたら、骨噛み(ほねはみ)という遺骨を食べる風習が日本にあると聞いて驚きました。調べてみると、アメリカやヨーロッパでは見られませんが、インドや南米、日本で見られる風習のようです。

人類学の観点


 肉を食べることは稀とのことですが、スタンフォード大学出版の「Paletó and Me: Memories of My Indigenous Father」という本では、ブラジルのワリ族でそのような風習があることが記されています。この手の情報は、オカルト的な観点で恐怖心を促すゴシップ記事として書かれることも多いと思いますが、今回は文化人類学の観点からの情報です。「気持ち悪い」「生理的に受け付けない」といった主観的な感覚を感じる場合もあろうかと思いますが、「おかしい」「ありえない」といった否定する批判はむしろ自分の無知を曝け出す恥ずべきことかと思います。

妖怪になったと思った 

 私はこの発想が生まれた時、「自分はとうとう妖怪になったんだな」って思ってしまいましたが、しかし、調べてみた結果、日本では骨噛みという最近まで一般的だった風習ですし、世界中で行われていることがわかりました(ただし、アメリカやヨーロッパでは一般的ではないようです。おそらく土葬のため衛生上の観点で育まれなかったのだと思います)。 

 さみしさのあまり遺骨を食べたくなる人というのはきっといるのだと思います。「自分はとうとうおかしくなったんだ」「自分は異常だ」そんなふうに思っているとしたら、それはおかしいことではなく、相手を思う気持ちの強さです。あなたは異常ではありません。

同じ気持ちを感じている人がいれば、そんなことを伝えたくて記事にしました。

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