普通の人のおはなしがおもしろい、かも?

とてもびっくりした。何がってこの雑誌の漫画大賞の34回マンガ大賞の「よろしくお願いします星乃ちゃん」って作品。

はとこが二次とか描いてるのでよく漫画をイチオシされる。でも最近の漫画はまず設定が頭に入らない。数ページ読んでついていけなくなりやめる、ということが多い。

でもこれはすんなり読めてとてもうまいと思った。もちろん絵がだんぜんうまい。若いのにびっくりだ。でも何より丁寧に人間を書くって描写が飛び抜けている。プロでも上のほうくらいの描写力があると思う。本当にこの年ならとんでもなくすごい作家になるかもしれないとか思う。

「ものすごいトラウマを抱えているわけではないがちょっと日常に引っかかりを感じてる人の、その感覚と打破」を丁寧に描いてて破綻がない。

これは自分がそういうタイプの作品が好きってだけかもしれないが、最近、ファンタジーじゃない現実の中で、ヒーローやすごい天才やトップアスリートやトップアーティストじゃない、あくまでまだどこにでもいる人、に起こる出来事を書いた作品で(でもクレヨンしんちゃん的な日常ものじゃなくて)、好きになれる、上質な作品と思えるものに出会うことが多い。

三浦しをんさんの作品や京都アニメーションの響け!ユーフォニアムみたいな。

でも、ただそれを書いても面白いものになるかというとまったく面白くない、ただ個人の絵日記みたいなものもあって、そういう題材を書いて面白いと思わせるにはセンスとか技量とか興味とかすごく必要なのだろう。

今とか、これからが、そういう作品が注目を集めることになるかどうかは自分にはわからないが、こういう題材を書いて成功したときは深く残るものになるように思う。
「よろしくお願いします星乃ちゃん」が大賞をとったのだって審査員が同じ感慨を抱いたからだろう。素人がこういっては申し訳ないが頭一つも2つも抜けてる。

若い人の読む雑誌もこういうのを評価するのだから年齢的に若い子はファンタジーが好きとか大人だからファンタジーがだめとかいうのでもないだろう。

うまくはいえないけど、去年から「特別ではない普通の人の、日常の範囲内だけど巨人に襲われた街くらいはらはらするドラマ」みたいなのに続けて当たりがあって面白い。

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