"#あれ実は私なんです" 35年前の「かみつきばあちゃん消しゴム」の発案者、著作者です
現在、42〜47歳ぐらいの方が小学生の頃、三菱鉛筆シャープペンシル替芯のキャンペーンでくじ引きに当たるともらえる「かみつきばあちゃん消しゴム」の発案者、著作者は私です。
当時は駆け出しの企画営業だった私。
1987年、私が27歳の時、大手広告代理店のセールスプロモーション局の方を紹介してもらって営業に行き、初めて頂いた企画案件でした。
その方は、三菱鉛筆のキャンペーンをスタート当時から担当していた方で、このおまけ付きのキャンペーンは1971年の「ジャンボユニ」から始まり、当時11歳だった私は欲しかったが、uni1ダース買わないともらえないのでその年は諦めました。
しかし、翌年1972年のおまけは「ユニ坊主」。当時ボーリングが非常に流行っていて、大きなボールに3つの穴が空いていて鉛筆が刺さるだけの消しゴムであったが、ピンクやブルーや、イエローがあって無性に欲しかった。
親に頼み込んでクリスマスのプレゼントにuni1ダース買ってもらって「ユニ坊主」をゲットした。鉛筆だからおねだりしても罪悪感はなかった。
自分が小学生の頃、すごく欲しかった三菱鉛筆のキャンペーンのノベルティーを考えられる立場になっていたことを喜んだとともに、ずっと続いていた事に驚いた。
長年やっているので、アイデアが尽きてきたところに私が営業に行ったので、担当者としては期待せず、何か採用できるような企画案を持って来れたら、お取引できるかもと言われ、奮起せずにはいられなかった。
4日間これだけのことを考え100案アイデアを絞り出した。
ウケそうなアイデアは4~5案、しかし、イチオシのアイデアは無かった。
明後日プレゼンという時、徹夜して先輩とアイデア絞り出している時、先輩が「おばあちゃんをキャラクターにしたらどうよ」と行った。
ちょうどカラムーチョというお菓子が流行りおばあちゃんが「ヒ〜」というキャラクターがCMで流れていた。
最初はおばあちゃんをキャラクターにするなんて「絵」が浮かんで来なかったが、おばあちゃんだから「入れ歯が外れたらおもしろい」と絵が浮かび、鉛筆を加えたまま入れ歯が取れるおばあちゃんキャラクターがすぐに浮かんで描けた。
キャラクターは5体
九州弁の大雑把な性格のおばあさん「およねさん」
怪力、唯我独尊のおばあさん「おくまさん」
お人好しで優しく子供をおんぶしているおばあさん「おたけさん」
ざ〜ます言葉の成金おばあさん「おかねさん」
おっちょこちょいで早合点な「吾作じいさん」。
おばあちゃんだけじゃ差別になるからおじいちゃんも1体だけ入れることになった。「おかねさん」は当時人気でTVによく出ていた塩沢トキさんをイメージして製作した。
他の企画会社からも数案アイデアが出ていて、小学生に人気投票を取ったらダントツ一位。
ということで採用になった。
年末のクリスマスシーズンから年明けにかけてのキャンペーンだったので、こういうおまけに一番反応するのが、やはり小学生。
シャーペンの替芯を買うとくじを引いて3回に1回ぐらい当たる確率なので、全部で5体を獲得しようとすると15個の替芯を買うことになるので、お年玉をシャーペンの替芯に使ってしまう子が沢山いたらしい。ウワサで聞いたのだが、全国の小学校でシャーペン使用禁止令が出たとかでなかったとか。
当時の流行り「ガチャポン」で偽物がいっぱい出回った。
一回り小さく、全く同じデザインで、中には金色や銀色、蓄光で暗くなると光るタイプなど偽物がいっぱい出回った。
「文野さんの文具な日常」という漫画の第3回に登場している。
2018年だから今から4年前に取り上げられていたんですね。
翌年もアイデアに参加して欲しいと頼まれたが多忙で受けられなかった。
ちょうどめちゃくちゃ忙しくてオファーを受けたが参加できなかった。
他社からのアイデアで実施されたようだがあまり人気がなかったようで、翌年、どうしても参加して欲しいとオファーが有り、再チャレンジ。
「どんどん消しゴム」を提案し、採用された。
「ヨーイ丼」「丼キホーテ」「ポセイ丼」「おい丼」「きつねう丼」
「ま丼な」も描いたんだけど、肖像権で海外から訴えられたらヤバいということで避けた。
「かみつきばあちゃん」には及ばなかったが人気は高く、好評だったようだ。
10年後に再び採用となった
これ以外にも"#あれ実は私なんです"がありますが、また記事書きます。
ただいまLINEスタンプ制作中です。
今年に入ってから、かみつきばあちゃんのLINEスタンプ制作始めています。
制作した当時若かった私も、今ではおじいさんの部類。
自分の年令に近いキャラクターのLINEスタンプがあってもいいじゃないかって思って制作開始していますが、もうちょっとかかりそうです。
では、また。
興味を持てれば面倒くさいこと辛いことも楽しさに変わる。何歳になっても好奇心を忘れず、何にでも興味を持つと楽しくなります。 どんどん好奇心を広げて楽しい人生を。