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今日が今を作りこれからを誘う

2回目のかよねぇの投稿です。
他のメンバーの順番を飛ばしても今日は私が書きたかったのです。
足元を原点を見つめるため…



なぜ今日投稿したかったのか

3月11日この日がなければ、私達の団体は生まれていません。

10年前の今日は10年後こんな事やってるなんて微塵も思っていませんでした。
こんな事と言うのはインプロに他ならない。それも、子どもたちの前でパフォーマンスし、一緒にワークショップし、先のわからない未知の未来に向かって何かを一緒に創って行くということを生業とするということ。生き方にするということ。

はじまりの始まり

最初は飯塚子どものためのドラマスクールの15周年に記念としてOBステージでインプロショーをするだけだった。そのOBのステージも震災を受け実施するのかしないのか議論があった。そこで出した結論は「ここでステージを中止しても震災が起きたことに対して何も出来ることはない。けれどステージを実施し鎮魂の祈りを捧げ、カンパを募り被災地に送ることは出来る」

記念公演は盛況のうちに幕を閉じた。だけど、何もしないでいられないメンバーが東北にカンパを持っていく、そして自分たちに出来ることはないだろうかと動き始めた。

初めての宮城県へ

8月、4人が宮城県を訪ねさせてもらう。
私にとっては、人生で初めての東北。
正直言うと、九州から遠い東北は異国の地。
東北6県と言われても、どこがどこだか?そして何県が東北なのか?地理に疎く方向音痴の私が初めて東北に興味を持ったのが3月11日の出来事だった。
東北に降り立った私達は余震に怯えながらも「ここねっと発達支援センター」に集う子どもと大人で行う、みやぎ少年未来塾『秋保木の家キャンプ』に歌島昌智さん、山田真理子さんと参加させてもらいました。
それまで、地震とは縁のなかった生活で余震のアラームや余震も初めての体験だった。

東北で団体発起を決意させたもの
その1

私達は、そのキャンプで発達に凸凹がある子どもとその保護者と共にワークショプとパフォーマンスをさせてもらいました。
パフォーマンスの途中に予期せず発達に凸凹がある子どもが参加。
演じるメンバーの手に小道具を乗せたり取ったり・・・
そのたびに物語は大きく展開し興味深いストーリーに。
インプロですから、予期せず起こったことをナシにはしません!
なかなか自分から人と関わることが難しい子だったそうですが、我々にはありがたいメンバーとなり一緒に舞台を創るという体験をもたらしてくれた子。
ただ、自分たちが楽しいから、楽しんでもらいたいからやっていたことが、人に与える影響とその可能性の深さに気づいた瞬間でした。心を動かし、関わりたいと思ってもらえる一瞬を創造することが出来るんだ!

その2

津波の影響を受けた中学校、そして大川小学校訪問
世界が一変する恐ろしさを肌で感じ、そこに居たはずの人々と命を守りきれなかった思いを抱える人と出会い、何も言えず何も出来ない無力な自分を見せつけられたのです。
ちっぽけな自分と命と今・・・
歌島昌智さんの演奏で大川小学校校歌を歌い。頭上に輝く月明かりに照らされ、どこからともなく子どもたちの歌声が聞こえてきました。
VTRに収める予定が、カメラを構えられなかった…
カメラで撮ってはいけない気持ちになった…
今を一緒に過ごすだけで精一杯だった。
そんな私が何か出来るとしたら、ただただ未来に向かって、出会った今を一緒に創っていくことしかできない。

福岡に帰ってきて

そんな思いをして帰ってきた。そして、このまま解散するのはもったいない。その言葉が出た時、「何かを」感じて帰ってきた自分たちがインプロに未来と希望を感じ行動を決めた瞬間でした。


やるからには、始めるからには10年はやるよ!

私はそう言いました。
せめて10年やれば「何か」が見つかるかもしれないと思ったから。

あれから10年。団体は解散し、新しく団体を立ち上げた。
この間何度も東北にお邪魔させてもらった。
打ちのめされて帰ってきたメンバーも居た。
少しでも力をつけたいともがいたメンバーも居た。

10年経って

発足当時のメンバーは私しか居ない。
ふと涙がこぼれそうになる時がある。
居なくなったメンバーたち、
あの時感じた「何か」はもう消えてしまったんだろうか。
それとも「何か」を掴んだんだろうか。
それとも「何か」を諦めたんだろうか。

マクベスの一節が頭の中を駆け巡る
私は、歴史が終わる最後の一瞬まで 「何か」を探し続けるのかもしれない。
新たな10年が今日からまた始まる。
10年前には一緒に居なかったメンバーと共に。

時々歴史の一瞬に立ち会って、その一瞬を共に創ってもらえることを願って

合掌


バスカラー

おまけ

「マクベス」の一節
★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
明日、また明日、また明日と、時は
小きざみな足取りで一日一日を歩み、
ついには歴史の最後の一瞬にたどりつく、
昨日という日はすべておろかな人間が塵と化す
死への道を照らしてきた。消えろ、消えろ、
つかの間の燈火! 人生は歩き回る影法師、
あわれな役者だ、舞台の上でおおげさにみえをきっても
出場が終われば消えてしまう。白痴のしゃべる物語だ、
わめき立てる響きと怒りはすさまじいが、
意味はなに一つありはしない。


To-morrow, and to-morrow, and to-morrow,
Creeps in this petty pace from day to day,
To the last syllable of recorded time;
And all our yesterdays have lighted fools
The way to dusty death. Out, out, brief candle!
Life's but a walking shadow, a poor player,
That struts and frets his hour upon the stage,
And then is heard no more. It is a tale
Told by an idiot, full of sound and fury,
Signifying nothing.


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