たて×横×高さ

直方体の体積の求め方。ですね。この公式をベースに、様々な体積の求め方へ繋がっていくベースの式になるので大切です。
それ自体は良いんですよ。
ちょっと腑に落ちないとこが2か所。

で、どの方向が縦横高さなんだ?と。そりゃ置き方次第で同じ辺が縦横高さどれにも変わりますから、どうだって良いと言えば、良いのですが。そこは、「たて××高さ。」と書いてあるからには、教科書にちゃんと縦が何処で横が何処で高さが何処で。と、観察者視点から定義してあるのです。さてここで……困った事が。

横は良いのですが、縦と高さの取り違えが多発するのですね。イヤイヤ、高さは解るだろ〜と思うかも知れませんが(多分解ると思います)、この取り違え、「縦」と、「たて×」で始まる公式、が曲者だと踏んでいます。直方体、教科書ですから、平面に立体を投影している図が載るのですが、この時、たて、横は底面のソレなので、紙面の垂直方向の辺は側面の「高さ」を示します。コレが理解出来てれば問題無いのですが……
しかし子どもの捉え方の実態は、底面は並行四辺形で表記される結果、注目の優先順位は低くなります。優先されるは一番最初に目に入る長方形から入ります。完全に長方形で投影される正面になります。既習の長方形の紙面垂直方向は「たて」なので、直方体の高さ方向の辺は正面の長方形の「たて」なので、縦横高さの「たて」と処理されてしまいます。更に不幸な事に、公式は、「たて」から始まるので、この取り違えた「たて」を最初に入れちゃうのですね。

この取り違えと公式の順番によって、「たて」→紙面垂直方向の辺でおk 。となり、次、「横」コレは、紙面水平方向で迷いようがないのでおk。残りが「高さ」残った斜め方向しか無いよね。
で、たてと高さの取り違えが完了します。
直方体の求積だけなら、全然問題ないのですが、直方体から、多角柱や円柱の求積に、底面を高さ方向に重ねる考え方で柱を求積する方法に発展していきます。なので、「たて」と「高さ」の取り違えは結構面倒くさい事になります。
ましてや、投影図から、立体を正確に脳内にイメージ出来る子がそう多く無い事を考えると、縦横高さを間違えなくても、「たて」→立体図形上の底面の長方形の「たて」ではなく、平面図形上の斜め方向の線 という認識、となっている子も少なく無いのでは無いのかな?と。
更に輪をかけるのが、算数/数学的能力関係なく、立体構造の平面投影を読み取るのが難しいというDisorderが有る訳で・・・

かと言って、教科書上に3Dメガネ使って「飛び出す図形」とか難しいわけで

で、次、「縦横高さ」って、表現なんだけど、数学的にはxyz軸で考えちゃうの違和感。は、ここの主題が算数なので置いといて、……
縦横高さという表現は感覚的には分かりやすいんだけど、実在の工作物は
DWH(奥行き幅高さ)表記なのを考えると、最初からそっちの方が良いんでないの?という気もするのです。ですがそれはそれで問題になるのが、この次に習う「底面積×高さ」という求積法との整合性が難しくなるという事。
底面は平面ですから、直方体の場合「たて
×横」DWHで表すと「奥行×幅」、で、平面図型の長方形は「たて×横」で、「奥行×幅」とは表しませんから、直方体の体積は奥行××高さと先に履修した直後、底面積×高さ即ち、(たて×横)×高さ。となるのを理解できるかなぁと、頭を捻らざるを得ないな。


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