ミスドの思いド

田舎に住んでいた私が、子供だった時の話です。

私の住む町には、ミスタードーナツの店舗がなく、テレビでミスタードーナツのCMが流れるだけで、気軽にドーナツを味わうことができない環境でした。そんな我が家で、ミスタードーナツを食べることができる日が、月に2回ほどありました。

当時、私の姉が車で1時間ほどの大きな街に、ピアノのレッスンを受けに行っており、その街にはミスタードーナツの店舗があったのです。そして、送り迎えをしていた父が、時々お土産に買ってきてくれました。

10個ほど入ったドーナツの箱を父が持ち帰ってくるのが、とても待ち遠しかったのを今でも覚えています。蓋を開け、いろんな種類のドーナツが並んでいるのを見るたび、私のワクワク感は最高潮。その並んだドーナツ中で、最も記憶に残るのは、ゴールデンチョコレートです。食べたときの感動と美味しさは、まさに頬っぺたが落ちそうなほどで、至福のひと時だったことは忘れられません。

大人になった今、自宅の近くにミスタードーナツの店舗がある街に住んでおり、気軽にいつでも楽しめるようになりました。当時は販売されていなかったポン・デ・リングなど、どれを食べても美味しいです。でも私の中の不動の1位は、子供の頃に味わった感動と、楽しい思い出を残してくれた「ゴールデンチョコレート」です。

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