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オール明けにキング牛丼を食べる競技のプロ選手。

僕の地元にはオール明けにキング牛丼を食べるというスポーツをしている選手がいる。

有名な牛丼チェーン店である【すき家】の裏メニューにとんでもなく大盛りのキングサイズというものが存在するのだが、それを指定された制限時間内に食べ切れるかどうかというタイムアタックの競技を勝手に開催している。

かれこれ3年くらい前からこのスポーツは行われており、元旦の早朝のキング牛丼チャレンジは毎年の恒例行事にすらなっている。

なんならこの挑戦を見届けなければ新しい1年を迎えれない気持ちすらしていて、僕らにとっては初詣と肩を並べるほど大事な行事なのだ。

この競技の始まった起源としては、キングサイズを食べ切れると言い張っていた友達に対して制限時間内に食べ切れたら料金を僕が支払ってあげるという条件で突発的にこのチャレンジが始まった。

どうせ食べ切れるわけないと思っていた僕だが、競技を始めてるとビックリ。
彼は毎回、時間内に食べ切れてしまうのだ。

食べ切った後とんでもなく辛そうな顔をしているが、なんとか食べ切ってみせるのだ。

その結果、僕は毎回彼の牛丼代を支払わされることになっているのだが、何度も牛丼代を払っていると不思議なことに僕も清々しい気持ちで支払っているようになってきた。

彼は回を追う毎により効率化を図った食べ方をしだしたり、どんどん牛丼の向き合い方が洗練されていくのだ。

牛丼を前にした彼の顔つきがオリンピックで金メダルを目指すアスリートのように見えてきて、毎回支払っている牛丼代が試合観戦のチケット代なんじゃないかと思ってきた。

彼は自己最速のタイムを目指し、日々努力を続けている。

そんな彼に手強いライバルが現れることになるのだが、その話は近いうちにまた。

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