海外旅行の持ち物リスト(2014年度版)

仕事柄海外出張が多く、気がつくと訪問した国も15を超えました。先日、はじめて海外出張に行く後輩から、持ち物について色々と尋ねられ、つらつらと返事を書いているうちに、せっかくだから他の人にも公開しようと思い立ち、noteに書いてみることにしました。どちらかというと、バカンス旅行ではなく、出張寄りの情報です。また、最低限ビジネスホテルに泊まる旅行を想定しています。もっとたくさんの国を訪問した方も多くいらっしゃるので偉そうに書くのはアレなのですが、参考になれば幸いです。

身につけるもの

* 財布(滞在国用) … 言われるまでもないことだと思いますが、盗難等を考えると自国で使っている財布とは別に設けるのが無難です。滞在国用の財布には、滞在国の通貨、50ドル程度のUSドル、VISA/Masterのクレジットカード2枚、緊急時の連絡先情報(名刺に家族の連絡先を書いたもの等)のみを入れるようにします。

* 財布(自国) … ホテル等宿泊先についたらまっさきに施錠できる金庫等に保管しましょう。ポイントカード、免許証等日常で使うカード類が入っていると思います。失うとリカバリが大変面倒です。

* クレジットカード … 支払い機能の他、海外では個人の信頼と直結するため、大変重要です。VISAとMasterの最低2枚を用意しましょう。Masterが強いと言われるヨーロッパ以外、例えばアジアでも、VISAが使えない場合がままあります。VISAのみでも多くの場合問題ないと思いますが、若干リスキーです。ホテルのチェックイン時に与信のために提示することになりますので、信頼感を損なわない一般的なフェイスのカードが良いと思います。曖昧に書きましたが、つまりガンダムやマギカは避けましょう、ということです。できればVISAかMasterか、どちらかをもう1枚用意して財布とは別の場所にしまっておくとより安全です。

* カラビナ … ハイパーメディアクリエイターにインスパイアーされてキーホルダーとして利用。トローリーや自宅の鍵を付けたり金庫にしまったりと旅先では鍵の出入りが日常よりも多く発生します。カラビナでなくてもキーホルダーは持っておいた方が無難です。カラビナを推すのは、取り外しが容易なためです。

* 長めの靴下 … 飛行機移動を想定していますが、とにかく飛行機は寒いです。特に足下。機内で靴を脱いだときに、アンクルソックスだと冷えるので避けた方がよいです。旅行中は体調管理が難しいことがよくあります。少しの工夫で快適に過ごせるようであれば極力気を使うに越した事はないと思います。

* 長袖の上着 … 上記と同じ理由により。例えば常夏に行く場合でも持っておいた方がよいと思います。また、外国では、クーラーは効きすぎるほど効いているのがGood Serviceという80年代的価値観が未だに有効な国が多々あります。よほど寒さに自信がある場合を除き、着ていく/持っていくのが安全です。

* Apple iPhone … スマートフォンは、海外旅行に必須のアイテムです。AndroidもWindows Phoneも試しましたが、最終的にはiPhoneに落ち着きました。万が一紛失してしまった場合でも、ほぼ世界中どこでも買え、周波数対応等若干の違いはあるとはいえ、同じものが手に入るからです。また、すぐに日本語の環境が設定できることも大きいです。Androidの場合、当然Multi Language化はされていますが、日本語の言語セットが入っているものを見た事がありません(IME等をインストールすることはできますが)。まぁ実際、普段使っているものを持っていくことになるわけですが、最低限キャリアとローミングの契約を行っておくようにしましょう。

* 海外旅行保険証 … 海外では体調を崩しやすいもの、出張等で会社が手配してくれない場合は、ぜひ自分で渡航前に加入しておきましょう。渡航国にもよるとは思いますが、体感では日本からの出張者の方のだいたい10人か15人に1人くらいは病院のお世話になっているように思います。クレジットカードの中には、自動的に保険が付帯されるものがありますので、それでも良いと思います。いずれにしろ、保証範囲、緊急時の連絡先等については一度確認しておきましょう。

機内持ち込み用鞄にしまうもの

* トローリーバック  … 機内持ち込み用鞄。ショルダーバックやバックパック等色々と試しましたが、最終的に15L程度の小型のトローリーバックに落ち着きました。PCを安心してしまうことができること、広い空港を歩き回る際にも転がせて疲れないことが決め手でした。ちなみに、VictorinoxのSan Marcoというバックになります。スーツケースに乗っけても小型でバランスを崩さないので気に入っています。短期の出張の際には、これとPCバックのみで対応することも可能です。

* パスポートケース … パスポートカバーではなく、パスポートケースです。必要性を感じない方も多いと思いますが、パスポートや航空券等、クリティカルな持ち物をまとめておくためにぜひ用意した方が良いと思います。チェックインや、手荷物検査でのパソコンの取り出し等、空港では鞄を開ける機会が非常に多いです。また、いつもより荷物が多いため、航空券のやパスポート等が鞄の中でばらけていると探すのに手間がかかる上、引っ掻き回した際に何かを落とすリスクも高くなります。パスポートケースには、パスポート、航空券、預け入れ荷物の引換証、前述の予備のクレジットカード、証明写真(VISA等の取得が急遽必要になった際に利用)、ペン(入国カード記入等に利用)、50USドル、少量の現地通貨を格納します。USドルは、何かあった際の緊急用です。使わないことを祈りましょう。私は土屋鞄のパスポートケースを愛用しています。

* エアピロー … 機内でのくつろぎグッズについては耳栓、アイマスク等色々と試しましたが、エアピローに関してはわざわざ携帯する価値があると思います。首を固定できるので、飛行機でもよりマシに眠れます。首がガクンとなるたびに目が覚めてしまうようですと、きちんとした睡眠が取れず、到着後つらいです。ビーズタイプ等の折り畳めないタイプはかさばるので避けた方が良いでしょう。ちなみに、機内では気圧の変動に伴ってピローの膨らみ方も変わるので、少なめに空気を入れておいた方が良いです。

* 携帯用ウェットティッシュ … 手を拭いたり、日本よりきちんと奇麗になっていない事の多いカフェやレストランのテーブルを拭いたり、とても乾いている飛行機の機内で肌を湿らせたりと、非常に使いでがあります。小型携帯用のものをぜひ鞄に入れておくことをオススメします。

* SIMフリーのモバイルルータ … 私はいつも、空港に着くとプリペイドのデータSIMを購入して、モバイルルータに挿しています。だいたい数百MB-1GBで、1000円から3000円程度です。ホテルではWifiを利用することにすれば、数日の滞在であれば十分なデータ量です。SIMフリーのスマートフォンを用意して、現地でプリペイドの音声+データSIMを挿すことを推す方もいますが、そうすると当然のことながら、普段の電話番号では着信も発信もできません。私は、通常使いのスマートフォンのSIMはそのまま使い、3G通信のみオフにしています。ローミングの場合、多くの国で着信は通話・SMSとも有料になってしまいますが、それでも普段の番号で連絡が取れる利便性を重視しています(連絡が取れないことが許されない、という仕事上の制約もありますが。。)。また、プリペイドのSIMの場合、テザリングを許していないキャリアが多いため、せっかく購入したSIMのデータ通信をPC、iPad等の他のデバイスから利用できないケースもあります。モバイルルータを用意して回線を複数機器で共有する方が利便性が高いと思います。ちなみに私はHuaweiのルータを使っていますが、SMSの送受信(残データサイズの問い合わせ等コマンド発行用)に対応した、SIMフリーのルータであれば何でもかまわないと思います。

* Apple iPad … Mustではありませんが、あるとKindleで本を読んだり、現地で調べ物をしたりできるので便利・かつ快適です。手に入るのであれば、SIMフリーのWi-Fi + Cellularモデルが断然おすすめです。私は緊急を要する仕事がある場合などには、iPadに、モバイルルータに挿したものとは違うキャリアのデータSIMを挿すことにしています。韓国やシンガポールなどのごく一部の国を除いて、多くの国で電波状況は日本より不安定です(通話はできてもデータ通信はダメ、ということも多い)。最近のホテルではWifiが使える事が多いですが、用心するに如くはないと思います。

* Apple MacBook Air 13" … プライベートな旅行では必須ではないですが、ホテルのサイトは、未だにFlashを利用しているところも多く、iPadでは表示できないようなコンテンツもあるので、持っておくと便利です。11インチという選択肢もありますが、重量の点ではほとんど差がなく、かつ11インチにはSDカードスロットもないため、個人的には13インチがおすすめです。ディスプレイも日常使いに十分な広さがあります。

SIMアダプタとSIMスロット開閉用ピン … プリペイドのSIMの場合、マイクロSIMのサイズ等にあらかじめ切り込みが入っているケースがあり、しかもこれが意外ともろいため、SIMカードが枠から脱落してしまう事が懸念されます。SIMアダプタは安価で、かつ極々小さなものなので、持っておいた方がよいでしょう。

* モバイルバッテリー … 重要アイテムです。前述の通り、多くの国で電波状況が不安定のため、日本にいるよりもスマートフォンのバッテリーを消費しやすくなっています。また、現地では調べ物をする機会も多いため、気がつくとバッテリー切れに陥るようなことがあります。電話はある意味現地での生命線なので、モバイルバッテリーは必ず持っておくようにしましょう。また、飛行機の座席や、空港の待ち合い所等で充電が許されている場合には、積極的に充電しておくと良いでしょう。

maxell AirStash … SDカードを挿して通常のUSBメモリーのようにも使えますし、WifiでiPadと接続してiPadの拡張ドライブのようにも利用でき、大変便利です。私はPDF化した書籍を全て格納したSDカードを用意し、フライトの前に空港のラウンジなどで本を選んでiPadにコピーしています。そのときに読みたい本を選べてとても便利です。

* カナル型イヤホン … 音楽を聴くのはもちろん、いざとなれば飛行機内での耳栓としても利用ができます。

* iPhoneやモバイルバッテリーの充電ケーブル … 私は飛行機に乗り込むと、エアピロー、iPad、パスポートケース、ウェットティッシュ・モバイルバッテリー・AirStash・イヤホン・充電ケーブル・SIMアダプタ等が入ったポーチの4点セットを鞄から取り出し、後は頭上の収納にしまうようにしています。足下に鞄を置いている人を見かけますが、1時間前後のフライト以外では、健康上の理由からもオススメしません。少しの工夫で快適に過ごせるのであればそうするべきだと私は思います。

* 非常用書類一式 … パスポートのコピー(旅券番号や写真のページ)、訪問国における日本大使館の地図と連絡先、自身の緊急連絡先(夫や妻、両親等)を印刷してクリアファイル等にまとめて。使う事がないことを祈りましょう。

* 航空券予約証・ホテル予約証 … 必ず紙に印刷しておきましょう。昨今では航空機へのチェックインであればパスポートの提示だけで問題ありませんが、入国審査時(帰りの航空券を保持しているか等のチェック)や、国によっては空港内に立ち入るだけで航空券の提示を求められる場合もあります。最近はまったく遭遇していませんが、ダブルブッキング等の予約ミスの際にも窓口で戦う材料になります。

* 訪問先の地図と連絡先 … 紙に印刷しておきましょう。訪問先の名前と住所は、英語の他、現地語でも書いておいた方が安全です(発音できるようになっているとより良い)。タクシードライバー等は、地図が読めず、また英語も話せないようなケースがあります。

預け入れ用鞄

* スーツケース … 以前はハードタイプのものも利用していましたが、どこかの空港で(シドニーだったと思いますが)、Baggage Claimで預け入れ荷物が凄い勢いで金属の斜面をピックアップ用のベルトコンベアに向けて滑ってきて、金属の板にぶつかってガーン!とぶつかるのを目撃してから、ハードタイプのものを利用する気がなくなりました。外国での荷物の扱いはとにかく荒いです。壊れて困るものはハードタイプのスーツケースで保護するより、そもそも預け入れ荷物にしまうのを避けた方がいいと私は思います。また、自分の荷物であることがすぐにわかるよう、何かキーホルダーやマスコット等を付けておくことをお勧めします。特にTUMIやRIMOWA等の有名ブランドのものを利用されている方。たまに、このベルトコンベア、TUMIのバックしか乗ってないんじゃないか、と思うことがあります。ぜひ何か目印をつけましょう。

マルチ電源変換アダプタ … 電源コンセントの形を変えるアダプタ。私はiPhone / iPad 等を接続するUSBの充電機能付きのものを利用しています。マルチタイプのものはどの国でも使えて便利ですが、難点は柄が大きいこと。特に会議室等で電源コンセントが床下パネルに収納されているような場所では物理的に接続できないようなことも。不安な場合は、マルチタイプではない個々の変換アダプタも用意したほうがよいかもしれません。また、基本的なことですが、海外は日本とは電圧も異なることが多いです。電源変換アダプタがやってくれるのは、コンセントの形を変えて物理的に電源を挿せるようにすることだけで、電圧の変換はしてくれません。海外に持ち出す電気製品は必ず110-240Vに対応していることを確認しましょう。110Vのみに対応した国内用のものを持ち出す場合は変圧器が必要ですが、大変重いため、決してオススメしません。

ポータブルWifiルーター … 有線LANに接続してWifiホットスポットを作るWifiルータ。iPadやiPhoneの接続用に。最近のホテルはWifiが飛んでいることが多く、使う頻度は限りなく低くなってきましたので、荷物が重ければ削ってもいいと思います。また、昨今のホテルのWifiは、接続時にブラウザでTerms & Conditionsに同意させるようなものも多々あり、そうなるとこうした機器だと対応できない可能性もあります。

* 洗面道具 … 歯磨きセット、爪切り、クシ、ひげ剃り等。日本のホテルとは違い、ある程度のグレードのホテルでも用意されていないことがあります。また用意されていても品質が怪しいこともありますので、必ず持っていくことをオススメします。長時間のフライト等で機内持ち込み手荷物に入れる場合は、はさみ等が入っていない事を確認しましょう。

* 着替え … しわになって困るもの以外は衣類圧縮袋に入れて圧縮していくと荷物がコンパクトにまとまります。常夏の国に行く以外は、極力着回しをするつもりで最小限の衣類にするのがよいと私は思います(特に出張の際の私服等)。どうしても不足した場合は現地で調達できます。

* 薬 … 海外では食事があわないことがままあるもの、整腸剤と風邪薬くらいは小型のピルケースに入れて持っていくのが良いと思います。私も何度もお世話になっています。

* お菓子・日本茶のティーバック … 食事があわなかった時や、時差で変な時間に空腹になった時に、あるととてもホッとします。

* 非常用書類一式 … 手荷物で書いたものと同じセットをこちらにも念のため。

* 航空券予約証・ホテル予約証 … 上記と同じ。

* 訪問先の地図と連絡先 … 上記と同じ。旅行中一度も顧みる事がないはずですが、安全を担保するものですので、軽いものだと私は思います。

持っていくのをやめたもの

旅行ガイドブック … ガイドブックにもよるのでしょうが、香港やシンガポールなどの都市国家を除いて、滞在する街に関する情報が本の中の一部にしかなく、しかもネットであらかじめ調べられる情報ばかりだったので最近は持ち歩いていません。眺めていて楽しいものなので、余裕があるのであれば持っていってもいいと思いますが。

書籍 … 何冊か持っていくことになる上、読みたいものの気分が変わってしまうと単に重たいだけになってしまいます。iPadで読書をするようになったのを機に、携帯をやめました。

カップヌードル … 海外に行き始めて2-3回は持っていっていましたが、かさばるうえ、ホテルによってはお茶を飲む程度の温度のお湯しか手に入らずわざわざルームサービスでお湯を注文するようなことになったりしたので断念しました。

以上、読んでくださってありがとうございます。

面白そうなので一応投げ銭を設定しておきます。そのうち投げ銭下さった方用に上記の持ち物リストをExcelで用意しようと思います。気が向いたら渡航前の準備や、役立つアプリ、現地での過ごし方等についても書こうと思います。

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