ANKTIVA (nogapendekin alfa inbakicept-pmln)が膀胱癌の治療薬としてFDAに承認された

適応症:膀胱癌(bladder cancer)
膀胱癌は、膀胱の内壁に発生する癌で、特に非筋層浸潤性膀胱癌(NMIBC)は、その再発率が高く、治療が難しいことが特徴です。BCG(Bacillus Calmette-Guérin)療法は、NMIBCの標準治療として広く使用されていますが、BCGに反応しない患者も多く、新たな治療オプションが求められています​​​​。

Anktiva(ノガペンデキン アルファ インバキセプト-pmln)とは
Anktivaは、ノガペンデキン アルファ インバキセプト-pmlnを有効成分とするインターロイキン-15(IL-15)受容体アゴニストです。2024年にFDAに承認され、BCGに反応しない非筋層浸潤性膀胱癌(BCG-unresponsive NMIBC)の治療に使用されます。この薬剤は、BCG療法と併用されることで、腫瘍の増殖を抑制し、免疫応答を強化することが期待されています​​​​。

作用機序
ノガペンデキン アルファ インバキセプト-pmlnは、IL-15受容体アゴニストであり、IL-15の変異体とIL-15受容体αのフュージョンタンパク質から構成されています。この薬剤は、NK細胞やT細胞を活性化し、膀胱内での抗腫瘍効果を発揮します。特に、BCG療法によって訓練された免疫応答をさらに強化し、腫瘍細胞に対する免疫攻撃を促進します​​。

臨床試験
Anktivaの有効性と安全性は、BCGに反応しない高リスクのNMIBC患者を対象とした多施設共同の第3相臨床試験(QUILT-3.032試験)で評価されました。この試験には、77名の患者が参加し、400 mcgのAnktivaをBCGと併用して6週間連続で膀胱内に注入されました。その後、4、7、10、13、19ヶ月目に再度注入が行われました​​。
試験結果は以下の通りです:

  • 完全奏効率(CR):71%(82名中58名)

  • 奏効期間の中央値:26.6ヶ月

  • 12ヶ月時点の疾患無増悪生存率(DFS):55.4%

  • 24ヶ月時点の膀胱癌特異的生存率(DSS):100%

治療に関連する主な副作用は、軽度から中等度の膀胱刺激症状(排尿困難、頻尿、血尿)であり、重篤な副作用は少数に留まりました​​。

副作用と注意事項
Anktiva治療中に最も一般的な副作用には、排尿困難、血尿、頻尿、尿路感染症、筋骨格痛、悪寒、発熱などがあります。重大な副作用としては、尿路感染症、血尿、膀胱刺激症状が報告されています。治療中は定期的なモニタリングと適切な管理が必要です​​。

まとめ
Anktiva(ノガペンデキン アルファ インバキセプト-pmln)は、BCGに反応しない非筋層浸潤性膀胱癌の新たな治療オプションとして注目されています。BCG療法との併用により、腫瘍の制御と免疫応答の強化が期待でき、患者の生存率向上が見込まれます。今後の臨床試験でその有効性と安全性がさらに確認されることが期待されます。

参考文献

  1. Anktiva Prescribing Information​​

  2. Clinical Trial Paper: QUILT-3.032 trial​​




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