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あむ手帖

明日、2023.11.11.sat.
手帖のような雑貨のような、ちいさな本の出版日を迎えることとなりました。
こんなのが[あったらいいなぁ〜出来たらいいなぁ〜]みたいな、ぼんやりしたものが、ゆらゆらしながら私の頭の中に漂っていただけなのに、考え思い続けていたら、2年の歳月をかけて思考が物質化しました。
約150mm×150mm、厚み約7mmの物質化。
こんなに小さなモノですが、私にはまるで魔法のようなモノなのです。

はじまりは、2021年の春でした。
自分勉強会という、それもちいさな会を期間限定で、お二人の生徒さんと開催することになりました。(コロナで途中解散となってしまったのが心残りですが、、)
この会を開くにあたり、色々と葛藤もあり、困難もあり、だったのですが、同時進行的にはじまった、(現在の編集長)きくぺとのミーティング。

きくぺは、私のまだまだ具体的になりきらないイメージの状態を、ふむふむととても前向きに受け取り続けてくれました。
そして、「出版社つくるのん夢やってん!」と無邪気な笑顔で、私の夢ときくぺの夢が両方叶うと、お互いの夢を叶えようと優しく背中を押してくれたのです。

2021.3.9.私からきくぺへ送った本のイメージを文字にしたものがこれです。

 本を持つ事で感じて欲しい事
 ・よろこびを感じる事
 ・可能性を信じる事
 ・ユーモアを忘れない事

とても、ざっくりしてるよね。
でも、私の中にはハッキリとイメージがある。
正確な言葉には変換できない、いつもの私の困ったところ、あえて言葉に変換するとこの3つが出てきたので、きくぺへ送信したのでした。

きくぺからは[あ、どんどんお願いします。]と返信がきた。
すごく安心したのを覚えています。
ああ、このまま進んでいいのだな、と。

そうして、ゆっくりと具体的にカタチになっていきました。

さて、私は何がしたいのかと言いますと。
さかのぼること2018年初夏、私はとあるNPO法人の活動に出会いました。
そこはカウンセラーを養成する講座などを開催しており、実際カウンセリングも実施しています。
その頃の私は、夫の実家との関係や、ママ友との関係や、夫や子どもたちとの関わりや、自分のやりたい事は何なのか、いろんな事がこんがらがり、胸がつっかえたままドロドロした日々を過ごしていました。
自己啓発本を読みあさり、占いに惹かれてみたり、それでも頭ばかりが満たされて、肝心なところは満たされない。
そんな無意味な事を続けるなかで、気付いた事がありました。
 “外から答えをもらうという発想には限界がある。”
という事は、自分の話を聴かないと、と。
“自分と向き合う”という覚悟のようなものが、覚悟の種のようなものが、パッと芽生えたのがこの頃のような気がします。
ところが、カウンセリングに通うのはとても時間もお金もかかる事。今の私には難しい。
ならば、セルフカウンセリング出来るようになろうと思い、ご縁が繋がったのがそのNPO法人でした。

今ではそこで、講座を受講して座学をしたり、講座のスタッフとしてお手伝いしたり、内部のカウンセリングでカウンセラーとして修行させて頂いたりしています。
結果、セルフカウンセリングがずいぶん身近になり、私の内側が前よりもクリアになってきた事を感じます。

そうして2021年、そこでの学びを何かのお役にたてられないものかとはじめてみたのが、自分勉強会でした。やってみようと始めてみたのですが、コロナで集まる事が難しくなり途中解散。
通ってくれていたお二人には、本当に申し訳ない中途半端なものとなってしまいました。
時を同じくして、編み物と心理学をからめたニットセラピーについて調べるようになっていました。
私の調べ方が浅いのか、あまりニットセラピーについて詳しく説明している人は少なそうでした。少し前にアメリカで研究があり、編み物には鬱や認知予防などに効果があるという研究結果が発表されたようでしたが、その事を実際にどのように活用して、どのように効果を実感している人がいるのかはわかりませんでした。

ならば、私の編み物の経験と、学んだ心理学やカウンセリングの経験とを、私なりに合体させてみようと、なんの学歴もないのに、そんな大それた事を思いついてしまったわけです。
私の経験は私しか知らない、私のフィルタで世界を観ることは私にしか出来ないので、そういう視点で本にしてみるのはアリかな。と。

すごく簡単に言ってしまうと、”自分を知る”こと。そして、”主体的に生きる”こと。

私は2018年まで、それをしてこず(自分ではしてたつもりだったけど…できてなかった)内側が見えなくなりこんがらがった。
でも、こんがらがったお陰で気づけた事がたくさんありました。
そして、現在、私はずっと編み物をする事で”自分を知る”作業と、”主体性を身につける”作業を、無自覚にやっていたのかもしれないと思い至りました。それはとても無自覚だったのです。自覚した途端にクリアになってきたように思います。(さらに気付いていない別の要素もあるかもしれない事は、ここでは横に置いておいて。)
ここで、心のケアの話でよく出てくる言葉[気づく]という事の効果についても実感することとなります。

今回の本は、そんな私の経験が、どのくらいの人たちと共有できるのかを、確かめる為の本でもあります。

編み物である意味、心を安定させるという事を無自覚にしていたので、あとはその意味を自覚するだけだった私の心への旅は、心理学を学ぶことで、腑に落ちはじめ、ひとつドアが開きだすと、次々に開きはじめるような感覚でした。
どのドアの鍵がどこにあるのか、どの鍵がそれなのか、少し見渡せばわかるようになったかんじ。
そんなイメージで自分の心を見る事ができるようになってきました。
そうはいっても、なにもかも思い通りになったという意味ではありません。
落とし所がわかるようになってきた、という程度です。それでも昔よりはずいぶん生きやすくなりました。

こんな事が起きるのは、たまたま私だけに起こった事で、誰にも起こらない”かもしれない”。
もしかしたら、たくさんの人にも同じ事が起こり生きやすくなるお手伝いになる”かもしれない”。
今のところ”かもしれない”しかありません。

これは心の中の出来事なので、とてもわかりにくい事です。
伝える事や、共有する事の難しさを、カウンセリングをさせて頂く中で実感する瞬間は多いです。
もしかしたら、ずっと、”かもしれない”のままかもしれません。

それでも私は、自分を知りたい、人を知りたい。
“かもしれない”の数を増やしたい。これが私の欲求。自分の純粋な欲求に気づくと周りへの感謝が芽生える。私の場合、その感謝という芯は、ちょっと油断すると結構すぐに見失ってしまう。
でも、心底大切な芯なので、見失わないように欲求を満たす方へエネルギーを向けていると、自然とそれが誰かの役に立っている。そういう人生が私の理想です。

結局のところ、基本的には欲求を満たしたいのが人間です。それが生きている証です。
誰もが、心から自分の為に生き、その欲求を満たす事が誰かの役にたっていく、この循環をつくることが出来たら世界は平和になるのに。
なんて、書いているうちにとんでもないところへきてしまった。

今回の本を出版するにあたり、出版部の部長という存在も大きな力となりました。
彼が本の帯をいくつか書いてくれた中のひとつ。

 手帖を読みながら
 小さな女の子は当たり前のように編み
 大きくなった私は特別な今を感じながら
 編み続けている
::::: (本)ぽんぽんぽん ホホホ座交野店
            店主 村上 豪 ::::::

他にもたくさんの文章を書いてくれたのですが、この文章は、まさしく私の事のように思えて少しじーんとしました。

とても長文になってしまいましたが、最後までお読み頂きありがとうございました。

この本が、みなさんの”自分の話を聴く”為のツールのひとつとなりますように。
ちいさなお守りのような存在に、そっとなれますように。

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