CL回路の過渡応答
みなさん、お疲れ様です。
今回はCL回路(そんな呼び方あるんかな?)↓について考えます。
CL回路という呼び方は聞いたことないので、この記事では↑これをCL回路と捉えています。逆にLC回路は↓こんなんだと捉えています。
本記事では
LC回路とCL回路では動作がどう変わるのか?
について考えてみたいと思います。
前回LC回路の動作について解説をしているので、良かったら見てみてください。
目標と検討の流れ
目標は出力電圧と回路に流れる電流がどんな動きをするかをわかるようにすることです。
検討の流れは
回路方程式を立てる
↓
回路方程式を電流と出力電圧について解く(ラプラス変換&逆ラプラス変換)
↓
式から電流と出力電圧のふるまいを考察
↓
シミュレーション確認
とやっていきます。
ではやってみましょう。
回路方程式を立てる
まずCL回路を見て、電圧に関する式を立てます。
vlとvcを合わせるとVinになります。voutはvlの電圧なので、以下の式になります。
vlとvcはインダクタとコイルの基本の式を使います。
これを代入。
これで回路方程式が出来ました。
ラプラス変換と逆ラプラス変換を使って、電流と出力電圧について解く
先ほどの式を解いていきます。微分方程式を解いていくより、ラプラス変換を使ったほうが簡単なのでそっちを使います。
ラプラス変換は原理はいいので、変換表を見て変換しましょう。私は覚えられないので、ネットで検索して変換表を見ながらやってます。
まず電流について解きます。ラプラス変換して
整理して
逆変換しやすい形に持っていって
逆ラプラス変換します。
電流はLC回路と同じ式になりました。
次は出力電圧について考えます。
sin関数を微分するとcosになります。
整理します。
これで出力電圧について計算できました。まとめると以下になります。
前回導出したLC回路との式↓で比較すると、
電流は同じように流れる。
電圧はConst(積分定数)分だけ差が生まれる&上下反転する。
となることがわかります。
シミュレーション確認
シミュレーション回路これ↓で確認します。
シミュレーション結果が以下の通りです。
電流はまったく同じ波形になっています。うん。想定通りですね。
出力電圧はLC回路の方は積分定数(t=0)のときの電圧分だけオフセットとして上がっています(10V)。CL回路の方は0V中心です。
周波数と振幅はまったく同じになってます。当たり前ですが、導出式通りになりました。
まとめ
CL回路の動作式はラプラス変換を用いて導出できる。
LC回路との違いは積分定数分と周期のずれが生じていて、CL回路は0Vを中心に揺れます。
以上です。何かの参考になれば、幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!!!!
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