きっかけは運、カギはその後の努力(その2)

(前回の続き。)

就職活動を終え、内定先も決まった5月中旬に、突然ケータイが鳴る。書類選考の後2ヶ月は連絡がなかった、受けたことも忘れていたような外資系企業。面接の打診だった。

3月に損保会社から内定をもらってからというもの、選考に落ちるたびに「ペーパードライバーの自分が自動車保険を売るのか!」という恐怖が日に日に増していた。4月の終わり、結構行きたかった鉄道会社の最終面接までたどり着き、そのときは面接前の何日はずっと下痢だった。せっかくのチャンスなのに、就活疲れかバカなのか、きちんとリサーチをせず、社長を含む5対1の面接で玉砕されてしまった。嗚呼!でもその日を境に下痢は止まり、観念して、自動車保険を売る運命を受け入れることにした。

そんな矢先の電話だったから、二つ返事、そして毎度のごとくリサーチをしないまま、数日後の面接に臨んだ。2時間半という超絶長い面接で、しかもそのうち2時間は、私ではなく面接官である人事部長が喋っていたと思う。出身が近いせいか、何故か愛着を持ってくれた。

面接が終わらないうちに、次の最終選考の話をされる。2回で選考が終わったケースが無かったし、結果は面接後に来ると思っていたので、面食らった。後から同期に聞いた話だと、そのタイミングで一人内定を辞退した人がいたらしく、その補欠だったらしい。その会社は性格診断とかユニークな選考をする会社だったから、その結果が次点だった自分を初めから採るつもりだったのだろう。だって、面接では20%も話していない。ラッキー。

しかし、そんな棚ぼたにも問題発生。最終面接は日本支社長の外国人。何社も面接受けたクセに、外国人と面接するのは初めて。ワタシ英語は得意でも、読み書きだけなのよ。TOEIC 900点も付け焼き刃なのよ。大学の選考すら、英語で説明できない。

それでもラストチャンス、逃げるわけにはいかない。またも準備なく、無防備に行きました。これまでの失敗からの学習はなし。聞かれたことに答えられないし、何を聞いていいかもわからない。相手はペン先を机に高速で叩きつけている。脇汗が止まらない中、そんな仕草を見て「苛立ってる外国人って本当にこんな感じになるんだね!テレビで見た世界」と妙に感激した記憶しかない。

「こりゃ落ちた。やっぱペーパードライバーだけど(しつこい)、自動車保険売るべ」と当然に覚悟した数日後、また電話がなる。相手は面接時間の80%喋ってた人事部長。どうせお祈りコールだろうと思ったら、まさかの合格。やっぱり面接の結果がどうあれ、最初から採ってくれるつもりだったのね。

しかも電話を取った場所は、奇しくも最終面接で落ちた鉄道会社のプラットフォーム。絵に書いたような電話越しのお辞儀で、近くにいる女子大生に指差して笑われました。いや、いいんですよ、そんなこと。リスクを恐れて公務員になろうとした自分が、外資系勤務になるんですよ、ガイシケイ。でも英語しゃべれないね、ヤバいね。

そこから始まる社会人生活。先が思いやられました。。。(続く)

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