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「ん」?聞こえないの? 日本の学校が教えない英会話術④
以前のエントリで、日本語の「ん」には4種類の発音があると書きました。
「n」と「m」と「ŋ」と「N」です。
このうち、「n」と「m」と「ŋ」の3つの発音は英語にも存在しますが、「N」の音は英語には存在しません。
この「N」の音は口蓋垂鼻音(こうがいすいびおん)というたいそうな名前がついているのですが、こんな専門用語で言われても具体的にどういう発音なのかわかりませんよね。
これは語末に来たときの「ん」の発音です。
「はつおん」というときの「ん」。
「ちかん あかん」の「ん」。
実はこの音、英語ネイティブはほぼ聞き取ってくれません。
英語ネイティブどころか、日本語を話せる、あるいは勉強している外国人以外はほぼ聞き取れません。
母国語に存在しない音なので聞こえないそうなのです。
なんでやねん!聞こえはするやろ!
と思うかもしれませんが、人間は自分が普段使用する言語に存在しない音は聞こえないのが普通です。
例えば「I will」の省略形の「I'll」の「L」の発音は、英語慣れしていない日本人にはほぼ聞こえません。「L」の発音が日本語に存在しないからです。
私は今でも聞こえませんので、あきらめて文脈で判断することにしています笑
で、この「日本人の発音する語末の『ん』は外国人には聞こえない」というのはわりと深刻な問題だったりします。
例えば「Ten」を「テン」と発音しても、英語ネイティブには「テー」みたいに聞こえているということです。
fifteenを「フィフティーン」と発音して、なぜか「フィフティ」に聞き間違えられる経験をしたことがある日本人は結構いると思います。
これは語末の「ん」が相手には聞こえていないからです。
なので、語末に「n」がくる英単語を発音するときは、意識して歯茎鼻音「n」で発音する必要があります。
具体的にはどうすりゃいいのか。
「ヌ」って言ってください。
なんか気持ち悪いと思うかもしれませんが、よく考えてみてください。
アルファベットの「N」をなんて発音しますか?
「エヌ」って言いますよね?「エン」って言ってる日本人見たことないですよね?
それと同じです。
語末「n」の発音は「ヌ」で大丈夫です。
ちょっとばっかし訛ってると相手に思われるかもしれませんが、通じないよりははるかにマシでしょう。
オマケとしてここに日本語で4種類の「ん」の登場する場面を表にまとめたものを紹介します。
なんで「ん」の発音がこんなにころころ変わるのかというと、次の子音を発音するために舌の位置や唇の形を準備するためです。
日本人にとっては全部同じ「ん」なんですけどね。
自分が日本語で「ん」をどう発音しているか意識してみると、英語の発音に役立つかもしれません。
ちなみに、日本人の発音する語末の「m」や「ng」は案外ちゃんと通じるんですよね。
これはカタカナ英語の影響で日本人は語末の「m」は「ム」、語末の「ng」は「ング」っと発音するので、(すげー訛ってるけど)本来の発音に近い音が出せるので聞き取ってもらえるというカラクリです。
でも日本ではKing Kongはキングコングって発音する癖にHong Kongはホンコンって発音しますよね。なんでやろ…?
Hong Kongのネイティブの発音は日本人が聞くと「ホンコン」に聞こえますが、日本人が「ホンコン」と発音しようとすると語末が口蓋垂鼻音「N」になってしまう罠があります。「ホンコング」と言った方が通じます。
「ing」も同じで、「feeling」は「フィーリング」よりも「フィーリン」と言った方が格好よく聞こえますが、自信を持って「フィーリング」と言っちゃって大丈夫ですよ。
今回のまとめ。
語末の「n」は「ヌ」、「ng」は「ング」と発音しましょう。
最初のエントリで「発音記号で発音の勉強をしてはいけない」と言ったのに、今回は発音記号の話でしたね…汗
以上です。
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