ラリルレロの発音の話 日本の学校が教えない英会話術⑥
今回はラリルレロの話。
英語の発音の話題でよくでる題材ですので「聞き飽きたよ」と思われるかもしれませんが、一応、私の経験を踏まえた独自の視点での話です。
先に結論を言うと、「そんなに気にせんでもよい」という話です。
ぶっちゃけ「I don't care!(知らんがな!)」で大丈夫。
前半部は「なぜできないのか」、中段で「できなくてもよい理由について」、後半に「一応、注意した方がいいこと」を解説します。
1. なぜ日本人は「L」と「R」が区別できないのか
ラ行はローマ字で書くと
Ra Ri Ru Re Ro
になります。
じゃあラ行は英語の「R」の発音に近いのか、というとかなり微妙な話になります。
日本人の耳には「L」と「R」はどちらもラ行に聞こえてしまいますが、ラ行は本当は「L」でも「R」でもない、これらの中間みたいな音です。
なので時と場合によって「L」に近い音になったり「R」に近い音になったりします。
日本人がrule(ルール)と発音するときは、「lu-ru」みたいに「L」と「R」が反転して聞こえることが多いそうです。
以前、同じ研究室にいたアメリカ人留学生に聞いたことがあるのですが、日本人のラ行は標準語だと「L」、関西弁は「R」に近い音になっていることが多いそうです。(注:個人の意見です。)
じゃあ、ローマ字のラ行はなんで「R」になったの?
という話ですが、これは幕末(19世紀)に来日したジェームス・カーティス・ヘボン(James Curtis Hepburn)さんというアメリカ人が「ラ行はR」って決めたそうです。
詳しい理由は知りません。彼の耳には「R」に聞こえたのでしょう。
で、困ったことに、日本人は英語を片仮名に書き直すときに、「L」も「R」も「ラ行」にしてしまいます。
これが日本人の英語学習に物凄く大きな悪影響を及ぼしています。
なんせ、ヨーロッパ系の言語を喋る人たちにとっては「L」と「R」は全く別の音です。
そして世界の大半の国がヨーロッパ系の言語を使用しています。
「light(明るい)」も「right(右)」も「ライト」
「collect(集める)」も「correct(正しい)」も「コレクト」
これでは聞いてる方は混乱してしまいます。
2. 別に「L」と「R」が区別できないなくてよい?
…と言いつつ実はそこまで大問題でもなかったりします。
なぜなら先人たちのおかげで「日本人はLとRが区別できない」という事実は世界的に認知されています。
なので日本人が「L」と「R」を言い間違っても、ほぼ文脈でわかるので大抵の外国人は脳内変換して聞き取ってくれます。(普段日本人と関わらない人は話が別)
ひとまずは安心してください。
自分の「L」の発音が通じない!と思ったら、むしろ他の部分の間違いを疑った方がいいかもしれません。
母音、音節、アクセントが正しいかどうか、こっちの方が重要だったりします。
通じない理由は母音や音節がおかしいことが大半です。
要するに原因は「L」と「R」の発音ではないのです。
日本人は「L」と「R」の発音を気にする前にやるべきことが他にあります。
3. 発音の練習はしておいた方がよい
でも、もちろんちゃんと発音できるにこしたことはありません。
なので練習はちゃんとやっておく必要があります。
それでは正しい「L」と「R」の発音はどうやったら出せるのでしょう?
実は完全な正解はありません。
「ふぁっ!!??」
って感じでしょうが、まあ要するに日本人の「ん」の発音と同じで、英語ネイティブでも前後の母音や子音次第で微妙に変化するのです。
国と地域によっても様々です。
「L」をほとんど「D」に近い発音で発する国もあれば、「R」がラ行っぽい国もあります。
イギリス人とアメリカ人の間でも微妙に発音が違います。
なので、ここは「俺はこう発音する」と決めてブレないことが大切。
「完全に正しい音」を追い求めても時間を浪費するだけです。
参考までに、私が実践している「L」と「R」の発音の出し方は下図の通りです。
あっているかどうかはわかりませんが、概ね通じているので気にしていません。
重要なのは、カタカナ英語になっている単語の「ラ行」が、「L」なのか「R」なのかを正確に把握しておき、間違えないことです。
余談ですが、「L」と「R」が区別できないことを卑下する必要は全くないです。
例えば、「おじさん」と「おじいさん」は日本人なら簡単に聞き分けられますよね?
でも、英語圏など言語に拍(mora)の概念がない国では区別ができない人は結構多いです。
同じ発音の母音が長いか短いかで区別するなんてクレイジーと思われています。
自分の国の言語体系に存在しないルールはできなくて当たり前。
できるようになったら凄いのです。
そして以前のエントリからの繰り返しになりますが、「L」と「R」を聞き分けられる必要はありません。
無意味なことに労力を費やすのはやめましょう。
今回のまとめ。
「L」と「R」に完全な正解はないが、両者は別の音であるという認識が大切。
片仮名の「ラ行」が「L」と「R」のどっちかを正確に把握しておこう。
以上です。
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