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Dialog in the darkへ行って

本当の「真っ暗」という状態を私は経験したことがなかった。

今の時代、都市部は夜だって街灯や店の明かりで夜だって明るいし、どれだけ市街地から離れても月や星の光があって、視界が真っ黒になることはない。江戸時代だって、新月以外は月明かりで町が照らされていたというのだから、本当に「真っ暗」な状態を経験している人はどれだけいるのだろう。

Dialog in the darkでは、真っ暗の中を一緒に進む8人の仲間と白杖が頼り。視覚が閉ざされると、他の感覚(嗅覚や触覚)がどんどん鋭くなるのが分かったし、何よりも他の仲間の声かけによってどれだけ救われることか。

「そこに段差があるよ」「これ葉っぱみたい。触ってみて」「本当だ、葉っぱだ」

考えていること、思っていることを口に出すなんて、基本的なコミュニケーションだと言われているけれど、普段どれだけノンバーバルコミュニケーションと視覚に頼っていたかを実感した。

そして何より、人の姿形に囚われず、お互いに一緒に生きる人として協力することが出来る。その一体感に、人としてあるべき姿を見て、大きな安心と幸せを得た。