その居心地のなかで

彼の心に灯ったのは怒りだった。

小さな灯火のなかに、青い薔薇を見つけた。ひらひらと揺らめくそれは、よく見ると炎のようだ。

私はもう少し、もう少しとそれを覗き込むように身を乗り出した。

私の脳内には、その青い炎と、それまでとこれからの憎しみや恨みが重なり合って存在している。

眺めているには悪くない。

これがその醜い生き物であったなら、眺めることはない。私はそれが激しく嫌いだ。

そこは空間として認知できない暗黙と沈黙の世界。安らぎや自由を感じる。とてもいい感じがする。

何も急かすパワーがこちらに向いていない。ゆっくりと身体の向きを寝返りを打つように変えて、その尊い感触に浸る。