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🎦2023.4.23 下北沢にて

今日は下北沢駅近くの居酒屋で待ち合わせ。
アーティストになりきれない男が、ギター一本で高架下に鎮座している。目を引きたいのか黒い浴衣を着ている。波田陽区か。そんなことしても女は捕まえられませんから、残念。そんなことを思いつつ待ち合わせ場所までの道のりを歩いている。この辺りはいつ来ても工事しているような気がする。本当のサクラダファミリアはここなのかもしれない。

アプリで出会う男は良くも悪くもアッサリしている。LINEやDMでやり取りして、ドキドキ駆け引きをしてからやっと対面に持ち込んで、駅で待ち合わせしてる合間に前髪を整えて、なんてあまりにも可愛い時間を過ごすのが楽しいはずなのに。
今回は4日ほどメッセージのやり取りと、相手の服の写真のみ。この歳になると、それで十分。人生の彩りという目的の恋愛から、ステータスを得るための恋愛になっている。
日曜日の夜なのに、居酒屋は多くの人で賑わっている。約束の時間は19時。今は19時5分。
『先に入っています』
既読はつかない。なんだか作業みたいだな。嫌になる。

15分後に写真の服装通りの男がきた。ちょっとわざとらしく息を切らせて、はにかみながらこちらに向かってくる。

「仕事が大変でさ。後輩ができたんだけど」

と。遅れたことに対する謝罪はなし。大変なのは仕方ないが、なら一言くらい断りを入れてほしい。モヤモヤしている最中、最初のお酒が届く。あ、一口で全部いく人なんだ。料理は1人で食べてしまう人なんだ。こちらの話はあまり聴いてくれない感じね。

相槌はリズムゲーム。niceやgood、perfectの文字が見える。2回ほどbadが出て少々気まずい時間があった。

この会話という楽曲はクリア。でももう二度と遊ばない。アンインストール。あまりにもつまらない。竹のケースがパンパンになった串入れを見るのは初めてかもしれない。食べることしか逃げ道がなく、あまりにもお腹がいっぱいになってしまった。

お酒が入ってもダメだった。
さよなら、ちょっと顔がタイプだった人。
お酒が会話を弾ませるのかと思ってたけど、お酒が相手の嫌なところをさらに露呈させてしまった。

ちょっといいなと思ったけれど、一度大きな穴が開くと修復できずに穴が広がり続けるだけであった。
いつか本当に好きな人に出会えるのかな、不安になってきた。

でもめげずに次に行こう。人間なんてごまんといるのだから。本当に?

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