生後30日 この人の場合/今後の治療方針

二回目の小児病院は腎臓内科の先生がすぐ診てもらった方が良いと、泌尿器科の先生にアポをとって予約を入れてくれた。

今回もまた採血、採尿、身体測定から始まる。
そしてこのセットはこれから毎月の付き合いになるのだった。



担当になった泌尿器科の先生はなんていうか、
すごく優秀な天才肌ちょっと変人
といった感じの、特徴だけ見たらドラマの主人公か?みたいな女医さんだった。

ボウヤのお腹をエコーでくりくりして、腎臓内科で言われた「重複腎盂尿管」と今後について図を描きながら説明してくれた。



「重複腎盂尿管っていうのは、この仕事をしているとよく見る、頻度の高いものなんですね。

尿管が二本、膀胱の別々の場所についてるタイプと

腎盂は二個なんだけど、尿管が途中で一本になって膀胱に繋がってるタイプとあります。

この人の場合は、二本別々に膀胱についてるタイプで、完全重複腎盂尿管って言います。」


うちのボウヤは左のタイプ


ふむふむ。
(こんな赤ちゃんのこと、「この人」って呼ぶの新鮮だな…)



以下先生のお話。



大抵、上からの尿管が膀胱の下の方の正しくない位置につくことが多くて、ボウヤもそう。

で、恐らく膀胱に繋がる部分が詰まっていて、右の腎臓の上の方が腫れているのかなと。

というのも正しくない尿管も中がおしっこが溜まってパンパンになっているらしい。


おしっこが溜まってるということは、そこに細菌が繁殖しやすいということでもある。

抗菌薬を通常の1/10程度の少量飲み続けることで予防にはなる。
飲むか飲まないかは来月までに決めてください、とのこと。



ここで飲む飲まないを迷われると診察が長引くのを分かってる先生。

薬は飲み始めたら手術後のおしっこの逆流の程度によっては3歳のおむつがとれるまでは継続しますと。

おむつの蒸れが菌を繁殖させやすいらしい。

ただ耐性菌のリスクもあります、考えてきて、と。



そもそも生後6ヶ月未満では普通、発熱しないらしいのだが、水腎症の子は発熱リスクがあるので熱が出たらすぐに病院に連絡して、とも言われた。



そんで、この詰まってる部分を開通させる手術は尿道から管を入れるので、最低でも6ヶ月。

身体の負担を考えると遅ければ遅い方が良い。
ただ腎臓に負荷がかかり続けると機能は少しずつ落ちていく。



先生の話によるとパンパンになった右上腎臓と尿管は別に破裂はしないらしい。

この低月齢でムリヤリ開通させるよりも、負担のことを考えると成長を待つ方が今はベスト。

とのことだった。



この小さい小さいちんちんの先から管を入れられるのか…
医療ってすごいね。



まずは左右の腎臓がどれくらい機能しているか調べるため、生後3ヶ月の頃にDMSAシンチグラムという検査の予約が入った。

放射性医薬品を使う検査。

CTより被曝量は少ないと言うけれど…

いや、ボウヤの末永い健康には代えられない。



先生にも、家族に腎臓の悪い家族はいますか?と聞かれたが夫婦共に心当たりはなかった。



私たちは、せめて他のことでは苦労しない人生を送って欲しいと願ったのだった。


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