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【台本】蜂鳥あみ太のラジオde地獄シャンソン曲解説その1(2021.10.7)

ボンジュール・トリステサ

ラジオ配信を始めてみたは良いもののコロナ禍というのもあってライブ以外で出歩く事が無いもんで犬も歩かねば棒なんぞに当たるなんて事はあるまいてという訳で、そんなに喋るネタが無いんじゃねーんですかいのうと考えあぐねいていたところ、そういえばあたくしの歌っている地獄シャンソンって中身が無い癖に死ぬ程小ネタが多くてライブのMCで説明をし始めると曲より長くて演奏する前から既に大量の情報量をブチ込まれたお客様が豆が鳩鉄砲喰らったような顔でステージを見てたりするよねと思いまして、せっかくの機会なのでここはひとつ改めて地獄シャンソンを1曲ずつ取り上げながら詳しい解説をしてみるラジオというのはどうだろうかなどと云う行き当たりばったり人生その日暮らしの灯台下暗しラジオ「蜂鳥あみ太のラジオde地獄シャンソン曲解説その1」はじまりはじまり。

いやはや実に安易なタイトル。取って付けたような。という感じですが僕の事を知っている皆様ならよくおわかりかと思いますが「よっしゃあやるぞ!」と意気込んで始めると大体続かないんで息を吸って吐く感じで気張らず適当にやっていきたいと思います。

等と言いつつこちらのラジオは初の試みとして自分で台本を書いておりまして、そちらの台本の方は蜂鳥あみ太note(こちらの記事)にて公開されてますので良かったら覗いてみて下さいね。今回書き下ろした台本のnote記事のURLの方はYouTubeの詳細欄のところに載せておきましたので要チェック。

台本ありの喋りとか実際どうなんですかね。ライブ配信は瞬発力が大事なんですけど何か大きな目標・目的が無いとやはり全体的にグダングダンになってしまって良くないなあと思うところなので試験的にやってみております。なので慣れるまで、いや、慣れたところで台本読んでる感がにじみ出ているかもしれませんが、これはそういうものだと思ってマリアナ海峡のような深くはてしのない心で楽しんで頂けましたら幸いです。

あたくし一応元ベンチャー系広告代理店お抱えのライター(穀潰しの害虫記者)だったので頭を使わずに文章書くのは得意なんです。いやそこは頭を使えよと自分でも思うんですけども。だから仕事として続かなかったんでしょうというご指摘は重々承知しておりますので皆様の心の中だけに留めておいて頂けましたらと。

なんてご挨拶を適当に書いておりましたらば既に1000文字を超えてしまいそう、いやもう超えたのかしら、兎に角そんな感じなのでとっとと曲の解説に参りたいと思います。

そんなわけで今回は今週10月9日の土曜日に横浜・日ノ出町シャノアールにて盟友ボランドール劇団と御一緒に蜂鳥あみ太とショルヘーノの「あみヘーノ」のライブがありますのであみヘーノ楽曲の中から4曲ほど選んでみましたので是非この機会に曲への理解を深めて頂けましたらより一層我々の音楽をお楽しみ頂けるのではないかと思いますのでごリッスン宜しくお願い致します。

こちらの台本を使って配信されたラジオ配信のアーカイブはこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=61i1uA9Uor4

■01.ウェラーマン演歌 Soon May the Wellerman Come

ではまずあみヘーノ曲の中でも一番ミュージック・ヴィデオが再生されているスウェーデンの1860年から70年代ぐらいに作られたと云われているシーシャンティ、これは船乗りの歌という意味ですね。ご紹介したいと思います。こちら元のタイトルは「Soon May the Wellerman Come」という曲でして捕鯨船に乗る船員達が歌った民謡なんだそうです。その昔ウェラー兄弟という3兄弟が経営する、沖合で鯨漁をする捕鯨船相手に食料や嗜好品などを供給する補給船の会社あったそうで、そのウェラー兄弟の下で働く船乗り達の事をウェラーマンと呼んだそうな。これは鯨漁に命を賭けた海の男達が「あともう少しすればウェラーマンがやって来てオレたちにイイモノをくれるんだ。そしたらもう一丁頑張って次陸に上がったらこの稼業ともおさらばさ」と歌うのですが待てど暮らせどウェラーマンは来ない、という曲であります。僕の訳詞では元の歌詞の内容を踏襲しつつ"舟歌"という事で日本の演歌の要素も入れてみました。あみヘーノのトラックではショルヘーノくんによるチップチューンにも注目であります。

それではお聴き頂きましょう。ウェラーマン。ようそろ。

ウェラーマン演歌 Soon May the Wellerman Come
https://amita004.bandcamp.com/album/wellerman-soon-may-the-wellerman-come-sea-shanty

■02.フィエスタ fiesta

こちらはスペイン語で「祝祭・聖日」という意味を持つあみヘーノのオリジナル曲です。作曲はショルヘーノくん、作詞はあたくしでブラジルのボサノヴァっぽい雰囲気の曲調なのでボサノヴァといえばやはり渋谷系という事で僕個人的にはかなり渋谷系を意識した内容の歌詞を書き下ろしたつもりです。そんな歌詞の内容ですが、"女性に折檻されないとエクスタシーを感じる事の出来ない特殊性癖を持つ男"が出会い系アプリ、今はマッチングアプリと云うんでしょうか、マッチングアプリで出会った"人をシバく事に性的な悦びを感じる女"と知り合って渋谷は円山町のホテルにしけこみ何やらイイコトをしてるんでありますが、ちょいと興に乗り過ぎて女の方がうっかり男を殺してしまうのです。殺したくて殺したわけじゃなくても人を殺めた事がバレると捕まってしまうという事で慌てた女は男の死体から金目の物をむしり取ってそのまま夜の街へと消えていく、というお話。

実はこの曲、レコーディング前日に書き上げた歌詞がどうしても気に入らなくて、でも今日中にレコーディングしてリリースしないといけないという事で朝の7時ぐらいに泣きながら全部書き直したというエピソードもあったりします。

因みにホテルでの事件というのはあまり表沙汰にもならないという事で大島てるさんの事故物件サイトにも情報が載っていない事が結構あるみたいですよ。ラブホテル・ファッションホテルというのは場所柄で特に事件・事故が起こりやすいみたいですね。今渋谷は円山町のホテルに宿泊しながらこれを聴いて下さっている方がいらっしゃいましたら是非とも壁に掛かった絵画の裏やベッドの下など覗いてみて頂けましたらと。というのはベタ中のベタしょうか。

それではお聴き頂きましょう。フィエスタ。

フィエスタ fiesta
https://amita004.bandcamp.com/track/fiesta

■03.No Me Olvides~私を忘れないで~

こちらは只今お届けしたフィエスタのカップリング曲としてリリースしたボリビアのスクレ地方の作曲家ミゲル・アンヘル・バルダのクエッカというジャンルのインスト曲でチャランゴという南米アンデス地方の民族楽器のメロディーに無理矢理歌詞を書き下ろしたものであります。「No Me Olvides」はスペイン語で「私を忘れないで」という意味がある以外の情報は一切無い状態で「私を忘れないで」と言っている情景は一体どんなものなのやらと考えたところ「知り合いではあるがそんなに話した事は無い、だけど一方的に片思いしている男性からある日"突然一緒に暮らさないか"と言われて舞い上がってしまった女の歌」ではないかと思いまして、嬉しさのあまりよく考えもせず誘われるままノコノコと付いていった女、男の家はなんとまあ立派なお屋敷じゃないですか。好きな男と相思相愛になれた上に玉の輿にも乗れるとあって喜び勇んで家に入っていく女、すると突然後頭部に鈍痛が走る、薄れゆく意識の中で視界に入って来たのは血で汚れた鈍器を握った男。それからどれぐらい経っただろうか、女が意識を取り戻すと何やらとても狭く身動きの出来ない穴の中に閉じ込められていました。実は女は男が住む屋敷の壁の中に埋められていたのでありました。そして男は行方知れず。何が起こったのか全く理解が出来ないままそれでも愛する男の迎えを待っている女。それからというもの誰も居なくなった屋敷では夜な夜な女のすすり泣く声とこんな話し声が聞こえるそうな。「何処へ行ったの?私はまだ貴方を愛しているのよ。はやく迎えに来て。私を忘れないで」

ファミコン探偵倶楽部という探偵ゲームのシリーズに「うしろに立つ少女」というタイトルがありまして、この歌詞はそのオマージュであります。この一言には盛大なゲームのネタバレを含んでおりますのでこちらのゲーム未プレイの方は今の発言を記憶から抹消して下さいね。

それではお聴き頂きましょう。No Me Olvides~私を忘れないで。

No Me Olvides~私を忘れないで~
https://amita004.bandcamp.com/album/no-me-olvides-cueca

そんなわけでNo Me Olvidesは男が女を殺す歌なのですが、女が男を殺す歌フィエスタと対になっているという相互殺人リリースなのでありました。なんだそりゃ。

■04.左手の爪削ぐだけ

そんなわけで次で最後の曲になりましたが、こちらはあみヘーノのオリジナル曲「左手の爪削ぐだけ」。作曲はショルヘーノくん、作詞はあたくし。スパニッシュギター奏者であるショルヘーノくんが得意とする軽快なルンバのリズムに乗せて全然軽やかじゃない内容を歌う、というのがあみヘーノの真髄かなと思っておりましてこちらの曲の内容も優しい人の演技に定評のある某ベテラン俳優の方の都市伝説が元ネタになっているのですが、その方実は物凄いサディストで女性の腕を工具の万力で挟んでゆっくりへし折っていくという性癖があるんだそうで、「お金を払うからキミの腕を折らせて欲しい」とSM嬢の方にお願いする時に人の良さそうな感じで「おねがい、おねがい、おねがい」って言うんだそうです。あくまでも都市伝説ですよ。これはそんな話を元に「鉛筆削りのような特殊な拷問器具を使って相手の手の爪を削ぐ、という特殊性癖を持つ人のプレイに付き合わされた女がプレイ代としてお金と一緒にその拷問器具を受け継いだ事により、自分も他の誰かにその器具を使ってみたい欲に囚われてしまう」という性癖が伝染していく様子を描いた歌詞です。ひどい。本当にひどい。

因みに曲とタイトルを作ってくれたショルヘーノくんに「左手の爪削ぐだけってナニ?」とリリースした後で聞いたところ「スラムダンクというバスケット漫画でシュートを打つ時に"左手は添えるだけ"と教えられる有名なシーンがあって、スパニッシュギターは左手の爪を深爪にして弾くものなので"左手の爪削ぐだけ"というタイトルにした」との事。無茶苦茶な歌詞を付けて本当にすみませんでした。

それではお聴き頂きましょう。左手の爪削ぐだけ。

左手の爪削ぐだけ
https://amita004.bandcamp.com/track/--14

初回だと云うのに折檻系の曲が多いですね。これは僕の趣味とは全く違いますのでご安心を。歌詞ってイメージを伝える為に俯瞰で見て物事の輪郭を描かないといけないので本当にそういうのが好きな方は自分で歌詞とか書けないと思うんですよね。だって歌詞にして歌うより実際にやった方が楽しいじゃないですか。やる前に歌ったら色々と疑われて警戒されるし。或いはそういう趣味の方が仲間だと思って寄っててくるか。うーむ。ちっとも弁解になってないですね。

そんな感じで本日は歌詞のテーマとして特殊性癖が多めのナンバーでお送り致しました。

ご紹介した「ウェラーマン演歌」「フィエスタ」「No Me Olvides」「左手の爪削ぐだけ」の音源は蜂鳥あみ太Bandcampの方でフル試聴と気に入って頂いた方はDL購入も出来ますのでまずはサイトで聴いてみて頂けましたら嬉しいです。

蜂鳥あみ太=4号Bandcamp
https://amita004.bandcamp.com/

そして改めまして来る10月9日には横浜日ノ出町シャノアールにて盟友ボランドール劇団とあみヘーノの2マンが、10月23日は埼玉熊谷モルタルレコードにてあみヘーノワンマンが開催されます。どちらもお席まだまだいけますので是非とも御予約・御来場下さいませ。ライブでお会い出来たら嬉しいです。

そんなこんなで初の試み台本有りのラジオ配信如何でしたでしょうか?

本当はもっと沢山の曲数をお届け出来るかなと思っていたのですが、4曲分のテキストを書いている時点で配信時間ギリギリという感じになってしまいましたので本日はここまでとさせて頂けたらと思います。いやこれ大変だわ。自分で書いて自分で喋ってんだもん。

などと自分がやりたくてやっている癖に若干愚痴をこぼしてしまいましたがそんな自分の策にハマってやさぐれた心もこのラジオを聴いて下さる皆様がいらっしゃるお陰でどうにかこうにか救われております。

というわけでここまでのごリッスンありがとうございます。

来て襲うと書きまして、それではまた来襲!

いやあ地獄シャンソンって本当に良いものですね。

さよなら、さよなら、さよなら

あみ太

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