幻のモスクワ五輪


オリンピックは行われたけど、日本は参加しなかった。
このとき出てれば!ってスポーツマンやシンパは言うけど、私はやめてもいいって思う。
今年とか、来年もそう。
テニス選手が洗脳や脅迫下にある(可能性の高い)国に、政治家だけじゃない、選手も送るの危険でしょ。
危険すぎる。


1980年。あのときだって、ワリ食ったのは選手たちだけじゃない


ぷろだくしょんバオバブ。
大手声優プロダクションから飛び出した16人の有名声優たちは、モスクワ五輪に乗っかって、ブーストアップするはずだった。
16人揃って歌う『目指せモスクワ』は、ハチャメチャコミックソングとして、世に君臨するはずだった・・・のに。
日本は出場辞退となって、曲もオリコン80位止まりでした。


大手プロダクションを飛び出した勇者16人とは


大物と、名脇役ばかりだったのよ。
こういうメンツ。


富田耕生さん
富山敬さん
小原乃梨子さん
神谷明さん
井上和彦さん
肝付兼太さん
緒方賢一さん
吉田理保子さん
千々松幸子さん
加藤修(後に治)さん
水島裕さん
清水マリさん
北浜晴子さん
野沢雅子さん
三ツ矢雄二さん
山田俊司(改めキートン山田)さん


名前だけ見てもピンとこないかもしれないけど・・・


富田耕生さんといえば、

サイボーグ009(1979-80版)のギルモア博士はじめ、ロボットアニメ、戦闘アニメの博士役等多数こなしてきた人。


富山敬さんといえば、

宇宙船艦ヤマトの主人公・古代進。


小原乃梨子さんといえば、

タイムボカンシリーズ悪人トリオの歴代悪女や、グーグーガンモの主人公ガンモ。


神谷明さんといえば、

北斗の拳、キン肉マン、シティハンター等々主演多し。


井上和彦さんといえば、

キャンディキャンディのあのアンソニーやら、サイボーグ009(1979-80版)の009、島村ジョーやら。


肝付兼太さんといえば、

忍者ハットリくんではケムマキケムゾウ、サイボーグ009(1979-80版)では007、銀河鉄道999では車掌さんだ。


ほか面々もこんなふう。


忍者ハットリくんでは忍犬獅子丸、宇宙船艦ヤマトではアナライザー、戦国BASARAでは島津義弘の緒方賢一さん。


東映ロボットアニメ全盛期は、ほとんどすべてのヒロインだった吉田理保子さん。
魔女っ子メグちゃんのメグもそうだ。


千々松幸子さんはサイボーグ009(1979-80版)の001だし、


加藤修(改め加藤治)さんは、スペースコブラのバイケン。


水島裕さんは、超人戦隊バラタックのマック〈橘マキト〉だし、超スーパーカー・ガッタイガーでは主人公・田淵錠を演じた。


清水マリさんといえば鉄腕アトムのアトム、妖怪人間ベムではベロ。


北浜晴子さんといえば、奥様は魔女の主人公サマンサ。


野沢雅子さんといえば、ドラゴンボールでは悟空、銀河鉄道999では主人公・鉄郎。


三ツ矢雄二さんといえばコンバトラーVの主人公・あおい豹馬。


山田俊司(改めキートン山田)さんはゲッターロボの神隼人、サイボーグ009(1979-80版)では004、ちびまる子ちゃんではナレーターだ。


こんなメンツがごそっと抜けて、新しい事務所を設立したのだ。
夢も希望もあったでしょう。
たしか声優の権利確立の戦いだった記憶。
そこへもってきてのモスクワ五輪ボイコット騒動。
曲は売れ始めてたけど、追い風をぷつっと失った・・・



実際の脱退は前年、1979年(昭和54年)の8月1日。
某大手所属声優の16名と、スタッフ6名で独立して設立したバオバブはいまもあるけれど、当時初のメンツのその後はいろいろだ。

富田耕生さん、富山敬さんはバオバブ在籍中に亡くなり、

バオバブはさらに分化して

81プロデュース(1981年~)
ティーズファクトリー(1999年~)
ケンユウオフィス(2002年~)
アップアンドアップス(2013年~)

とかに分かれていった。


81プロデュースには、

小原乃梨子さんや
肝付兼太さんや
千々松幸子さんや
水島裕さんや
清水マリさんが行き、

肝付さんはその所属先で亡くなった。


神谷明さんは冴羽商事という事務所にいる。
シティハンターの役名由来でつけてるから、たぶん個人事務所なんだろう。

井上和彦さんはB-Box。

緒方賢一さんはオフィス海風。

加藤修(治)さんは、希楽星というところに移籍後亡くなり、


北浜晴子さんや野沢雅子さんは、頭を下げたのだろうか、もとの大手に戻っている。


吉田理保子さんは引退しているらしいのだけど、ディーカラーというところに、マネージャーとして在籍しているとも聞いた。


三ツ矢雄二さんはコンビネーションというところにいる。


山田俊司(キートン山田)さんは、リマックスに移籍した後、引退。


めちゃめちゃ華々しい人はいない感じだ。


それでも・・・


人は消えても曲は残る。


『めざせモスクワ』。
1979年11月21日、ジンギスカンという外国のグループの、同名曲の日本語カバーとして売り出された。
訳詞はケイ・ふじやまさん(どなた?)。
GK-364。
キングレコードから発売され、オリコンシングルチャート最高80位まで行っていた。
歌詞は原曲の歌詞と全く切り離されており、出だしこそポーリュシカ・ポーレみたいだけど、どんどんモスクワ五輪を応援する内容になり、さらには勝てば官軍みたいな内容になっていき、さらにさらに進むと・・・

アニメ番組大行進

みたいになっていってしまうのです・・・


いろいろある。

オミクロンもある。

だからこそ。


私は今回も、

ボイコットしていいのではないかと思うのです。



それでも地球は回っている