知人のプロット

通らなかったけど凄いオモロイ~美意識の高い~ものが多かった。
私よりずっとベテランで、邦画の大物脚本家のお弟子さん。
ガッチャマンではジョーの過去が明らかになる話数担当し、苦しむジョーの痛みの描写が見事だった。
パーマンでは、『旅人のミツオくん』を書き、

アッシには関わりのないことでござんす

と三輪さんに、フルに言わせた。
いつもエロいことを言うわりに、さくっとした人柄で、邦画も洋画もB級ものも詳しい。
この方と一緒に短時間ホラーものをやったとき、めちゃめちゃ美意識の高いプロットをいくつも持ってきた。


千年杉

駆け落ちした彼氏が、山中の老木に魅入られる。
取り戻すより、生きていてほしい少女は、役所すら動かして老木を排除しようとするのだが・・・

吞兵衛横丁深夜

新宿二丁目の飲み屋街はじつは
うらぶれた在日吸血鬼たちの巣となっていた・・・


ソープ

昔騙して売り飛ばした女が“浴室”で待っている。
おっとりと床技する彼女と逢うたびに、男は生気を失っていく。
自分には回顧でも、相手には呪わしい運命。
ロマンとして記憶している側には、理解できない・・・

拙劣な環境の中であがくように生きる人々を、冷静に描きつつも、そこにはほのかに妖しかったり美しかったりがある。
昔の文筆家の風格。
仕事がないときは、荷物運びとかに行っていた。
彼の女は大物で、稼ぎもよかったが、彼と彼女は知る人ぞ知るだけなので彼は決してヒモではなかった。
お互いの飲み仲間どうしすれ違っても、決して互いに声をかけ合わなかったそうだ。

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それでも地球は回っている