320

320といえば


讃美歌320番「主よ御許に近づかん」。
テレビアニメ『フランダースの犬』(最終回のクライマックスのBGM)や、同『赤毛のアン』(マシュウ・カスバートの葬式の挿入歌)などにも使われている曲だ。


原曲は元々民謡として昔からあったらしく、詞は『旧約聖書』創世記28章11節・12節基に、19世紀にイギリスの、サラ・フラー・アダムス(英語版)によって書かれたものらしい。
現在知られている旋律は、アメリカ合衆国の作曲家、ローウェル・メイスンによって書き起こされた

「ベサニー(Bethany)」

を基にしているそうだ。
ほかにもジョン・ダイクスの

「ホーベリー(Horbury)」

や、サミュエル・セバスチャン・ウェスレーの

「コミュニオン(Communnion)」

があると聞く。
メソジストは、アーサー・サリヴァンによって書かれた旋律

「Propior Deo」

を好むとも聞いている。


映画監督ジェームズ・キャメロンの1997年の作品『タイタニック』等、同船の沈没を描いた何本もの映画の挿入曲でもある。
なぜタイタニック映画に出てくるかというと、実際のタイタニック号のバンドマスター、ウォレス・ハートリーがこの歌を好んでいたからだという。
彼は自身の葬式での上演を望んでさえいたようで、そうしたいきさつもあって、1912年、豪華客船タイタニック号が実際に沈没する際、ほんとに、沈みゆく船上で、同船のバンドメンバーが演奏したという。

メンバーは全員沈没の犠牲になっており、このエピソードはキャメロンの『タイタニック』でも他の映画でも、必ずといっていいほど描かれているという。

ウォレス・ハートリーは英国人のメソジスト教徒で、

"Bethany"

"Horbury"

"Propior Deo"

も知っていたらしい。
すごい話だな。


ちなみにこの曲、アメリカの

第25代大統領ウィリアム・マッキンレー

やイギリスの

エドワード七世

の愛唱歌でもあるのだそうだ。


それでも地球は回っている