人柱の記者④担当記者の反乱?


頭から読まれるかたのために↓

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前段は↓

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企画書の間に原稿とメモが挟んであった。
メモにはこうあった。


実話系の情報集めましたがまだまとまりません。
先にコミックマーモセットがあるので、それ用の二次創作を書いちゃいました。
戦国BASARAバージョンですよん!

            t


えーい!
仕事せんか下っ端!!
(下っ端っても私より先輩なのだろうが(^_^;))

とりあえず、読んでみようか…


吉田郡山城石垣人柱てんまつ~二次創作戦国BASARA長會我部元親


毛利元就?
ああ。確かに冷血に見えるがな。
あれでなかなかいいとこもあんだぜ。
え?
どこって?
どこっつーかー…


ふん。
さよの話か。
十二の年に厳島神社に参拝したら、船着き場で、齢(よわい)五つのさよが泣いていたのだ。
聞けば女親がある城の築城で、人柱に選ばれてしまったという。
哀れむつもりはなかったが、止めれぬかと思って普請奉行に問うたが、すでに女親は埋められておった。
さよと女親は巡礼で、こどもと引き離せば、女親の執念が強まり、人柱としての執念も強まる。
結果的に城の強度の足しになるとでも思ったのであろう。


だがあんたは怒ったって聞いたぜ。


怒りもしよう。
親子の情がそうも強いなら、伊達は母御に殺されかけることもない。
真田は親に兄弟を、敵味方分けられることもない。
偽りだと思ったので喝破したにすぎぬ。
だが普請奉行はその後も愚を重ねた。
十六年後、わが城、吉田郡山城の本丸の石垣崩落著しく、また人柱の話が出たので、言うたのだ。
人は要らぬ。
人と書いた紙でも埋めておけと。
それで十分崩落は収まった。
人柱なぞ要らぬのだ。


そっけねえ毛利の言い草の、俺は裏側を知ってる。
娘は郡山に連れ帰られ、元服前の毛利の程よい遊び相手となっていた。
元服してからは奥の下働きをしてたとも聞く。
毛利は笑ったろ。
その子には。
なのに普請奉行どもは、その子を選んで新たな人柱としたのだ。
女親が人柱になっている。
人柱への怒りはどれほどかあるだろう。
そんな娘がまた人柱になる。
理不尽故に強い念が出るだろう。
そういう考えの人選だったんだ。
さすがに毛利は怒った。
あいつは人って書いた紙って言ったが、あいつが用意したのは 「百万一心」と書いた紙だった。
奴はそれを普請奉行に渡し、その文字を石に彫って、人柱の代わりに埋めるよう命じたんだ。
そして人柱を立てず人命を尊べと、配下に強く命じたんだ。


アニキっ!
いっ、いい話ですねっ!


でっ、でも、ならなんで今の毛利さんはああなんですか!?


ああって?


ああでしょう?


??


アニキはいっこうわかってねえ。
しつこく聞いたらこうだ。


民草を大事にしてるからに決まってんだろ!!


ってよ。
毛利さんがああああっ!!??


野郎どものハトマメの声が炸裂してる横で、俺は瀬戸海の向こうのやつを思う。
冷酷非情といわれるけれど、毛利には毛利なりの仁がある。
誰にもわからねえ仁がある。




楽しんで書いたのだけは…わかる…



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それでも地球は回っている