ジムシーが足りない

最近,日曜の夜が忙しい。23時までに所用をすませ,23時からはTVKで「銀河鉄道999」。23時半から同じくTVK「機動戦士ガンダム」。日付かわって00時10分からはNHKで「未来少年コナン」を見て寝る。あと月曜19時からは東京MXの「赤毛のアン」を録画しつつ裏のTVKで「西遊記2」。今が2020年なんてウソだ,きっと1981年くらいなんだろう。というか普通の地上波の番組はつまらないのが多いので,東京MXやTVKの昔の再放送ばっかりみてしまう次第。

特に楽しみにしているのがコナンである。今までまったく見たことなかったので,人生初コナンである。いやー面白い。話が面白い。キャラクターがいい。メカが魅力的。もう毎週テレビの前に正座してドキドキワクワク,それから一週間はずっと「次回どうなるんだろう。ラナは博士はどうなるんだろう」って考えながら仕事をしている。せっかくだから最大限に楽しめるよう,なるべくググらず,先を知らず,40年前の小学生として視聴するようにしている。ていうかこの歳になって宮崎駿の「新作」が見られるんだから,幸せな話よね。

なるほど後の作品につながるような部分が散見される。雑にいっちゃうとカリ城+ナウシカ+ラピュタである。カリオストロ伯爵およびムスカっぽい人がいる。クシャナ様っぽい人もいる。パズーもいるしシータもいる。ラピュタの海賊っぽいのもいる。巨神兵的な最終兵器も匂わされている。その辺はすごくわかる。うまそうはかわいい。ついでにエヴァンゲリオンのゼーレっぽいのもいるし。

しかしジムシーがいない。その後のジブリ系作品で,ジムシーの後継にあたるキャラはいるだろうか。あるいは船長でもいいのだが,ああいう中立あるいは味方で,しかし主人公たちとは違う価値観を持っていて,それなりに実力があって役に立つけれども場合によっては足を引っ張ることもなくもない。トリックスター的な。

たとえば「もののけ姫」のジゴ坊なんかはそれに近いのかも知れない。でもあれはどっちかというと敵っぽい。カリ城にジムシーはいない。ナウシカにもラピュタにも。その後のジブリ系にもそれっぽいのは見当たらない。2時間でまとめなきゃいけない映画と,半年は話をもたせなきゃいけないTVシリーズの違いかも知れない。確かにジムシーがいることで話は膨らむが,散らかってしまうのも否めない。

しかしそもそもジブリ系のみならず,昨今の作劇にはジムシーが足りないのではないか。邪推だけど今の観客は気が短くて余裕がなくなっているので,ああいうキャラクターを許容できないのではなかろうか。クレームが来やすいのではなかろうか。確かに出しどころが難しい存在ではある。

コナンのジムシーは魅力的だ。原型はハックルベリーフィンだろうが,ハックとはまた違う良さがある。コナンもラナも博士もいいけど,やっぱりジムシーだ。今週はコナンの活躍によってガンボートがあんなことになってしまった。来週どうなるのか。どうなってしまうのか。チラと聞いたところによるとあと8~9話くらいで終わるらしい。どうしよう。それから先なにを楽しみに生きていこうか不安になるくらいハマっている。最後まで全力で楽しみたい。


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