ソトノバ・スタジオ第2回目タクティカル・アーバニズムクラス:Park(ing)dayのファニチャーのプランニングが始まる
こんにちは、ソトノバ・スタジオ「タクティカル・アーバニズムクラス:Park(ing) Dayのノウハウを学び、実践する!」感想レポート担当の野尻です。今回のスタジオ第2回目は、現地視察からのPark(ing)dayで設置するファニチャー等のプランニングです。mi-ri meter の(笠置秀紀さん)をゲストに、Park(ing)dayのヒントをもらいつつA・B各班 実施するアイデアを練っていきます!
現地視察からスタート:対象地それぞれに特徴がある
今回は宮益坂の現地視察からスタートです。宮益坂で実施するPark(ing)dayの対象路上駐車帯は2カ所、A・B班に分かれデザインしていきます。
①つ目の対象地はコンビニと郵便局の前、人が滞留したり出入りの多い施設に面しています。こちらにはすでに腰掛けるためのファニチャーが設置されていました。上図の動く丸太は、気づいたら置いてあったものだそうです。プチタクティカル・アーバニズムですね。
②つ目はカラオケ店や飲食店舗に面しています。買い物などのついでに腰を下ろして滞留させる場を作ることを目的にすると、①の方がデザインしやすいのかもしれません。
宮益坂はなかなかの急勾配で交通量も多い印象です。足早に歩行者が通過していきます。現地視察からのアイデアを各々持ち帰りグループワークへ向かいます。
タクティカル・アーバニズムによって、違う視点から まち をみる契機を作る。
mi-ri meter 笠置秀紀さんより、実施してきた公共空間でのアクション(SHINJUKU Street Seats,DOUGENZAKA URBAN GARDEN,PUBLIC LIFE KASHIWAなど)とタクティカル・アーバニズムの思想の源流ついてレクチャーをしていただきました。
(出典:facebook)
まずは新宿のプロジェクトについて。気になっていた昨年、新宿の結構な交通量の道路に設置されたSHINJUKU Street Seatsの案件。ファニチャーに高低差をつくり、座り方、遊び方、利用する人の年代や滞在時間帯の変化を狙ったそうです。こちらの社会実験は今年も行われます。
(出典:facebook)
道路の反対側、紀伊国屋書店前のParkletは、一か月間設置していても安全で、可動性ある屋外家具がデザインされました。45°を基点に、日にちによってベンチの角度が変化するそうです。
人の活動の多様性を生み出すため、ファニチャーにはさまざまな仕掛けが施されていました。
(出典:mi-ri meter )
続いて渋谷道玄坂のプロジェクト、SFC石川研とコラボした高低差のあるモジュール型花壇が紹介されました。道玄坂商店街の方が管理されているこの花壇、以前のベンチでは人が座ると花が痛みメンテナンスが大変だったそうです。いろんな人が自分の小さな庭を持てる仕組みが素敵でした。
タクティカル・アーバニズムの源泉であるアクティビズムのお話
タクティカル・アーバニズムは、「都市空間、公共空間で何か行動を起こすとなると、法に縛られ建設された土地なので自由にはできない。その中で戦術を使い、自分たちの都市を取り戻す」というフランスの哲学家ミシェル・ド・セルトーらの思想が源泉にあるとのお話がありました。
(出典:amazon)
続いてスケボーやストリートアートの活動から、都市の見方を変えようと試みると新たな空間が生まれると言っていたイアン・ボーデンさんのお話。
(出典:amazon)
そして、1968年の5月革命に影響を与えたギー・ドゥヴォールさんの紹介。都市をさ迷い歩く(漂流する)と都市の本質が見えてくると説いた人です。
このような哲学家や著述家の思想も、ヨーロッパのアーティストに影響を与え現在のタクティカル・アーバニズムに繋がっているそうです。
(出典:Slate)
最後に2000年代に多くあったタクティカル・アーバニズムの事例を紹介していただきました。花を植える(ゲリラGardenと知りました)、スプレーとステンシルで自転車通行帯を作った例、徒歩圏内であることを示すサインステッカーを貼ったものなど。これらのまちのユーザーに別視点から都市を発見させるタクティカル・アーバニズムのアイデアの数々、ユーモアもあり素敵な空間ハックですね。
グループワーク開始!しかし立候補地が被る
A、B班共に対象敷地①を選択。話し合いの結果、B班が①(コンビニ、渋谷郵便局側) A班が②をデザインする形になりました。特徴が異なる2つの路上駐車帯は、各班の案でどんなPark(ing)dayがつくられるのでしょうか。
地形を活かすPark(ing)day
B班の発表では「象徴的なモニュメントを置く」「ゲーム要素を取り入れる」などのコンテンツを”アクティビティ”と”くつろげる”ゾーンに組み込んだアイデアが発表されました。坂の下側ではアクティビティのコンテンツ(ピンボールなど遊べるもの)を配置し、高い視点場には、リクライニングチェアなどを配置し”くつろげる”場をつくるそうです。休憩するときの姿勢、角度に変化があると、普段何気なく歩いていると分からない宮益坂の空にケヤキの緑陰が広がっていることに気がつきそうです。
”感覚”がキーワードのPark(ing)day
私たちA班は今回2名お休みで、3人で話し合いです。A班の発表では、第一回目のグループワークに継ぎ、①ものが集まってできる ②触角(感覚)を楽しめる ③身近なものを利用した空間 がテーマに。それから「空間の設え」「コンテンツ」「空間の見え方」3視点からのアイデアが出ました。発表後のフィードバックでは、いろんなパラメーターがあるのでどれか捨てないと!との意見が。次回までに他のメンバーを交えて、アイデアを編集したりプランを詰めていきます!
次回はグループに分かれ、Park(ing) Dayに持ち込むファニチャーの具体的な検討とプランニングを行い申請書類を準備します。(次回提出できなかった場合、宿題です。)
みなさん、今回もお疲れ様でした。9/20(金)に向けて頑張っていきましょう!
Photo by Sotonoba Studio Staff, Akari Nojiri
Text:Akari Nojiri
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