日溜まり

もう春だけど2月の俳句日めくりカレンダーをめくってファイルに挟んだままだった。

日溜まりはここよここよと冬すみれ 檜 紀代

冬すみれ、きっと見かけてるのよね。2月ってお花を見るだけで「春!」とは思うけどまだ寒くてじっとみていないのかもしれない。梅は梅梅騒いだのだけど。梅に見惚れてて見逃している可能性もあるわね。この一句、かわいいしあったかい。オフィスからオペラシティに向かうときに大きな道路を横切るのだけどそこに一本だけ大きな木が立っているの。夏の間はみんな日差しを避けてその下にいたのに冬の間はみんな日溜まりに集まって木の下は静か。いつも、ふふふ、と思いながら私も日溜まりに行くのだけどね、おいでおいでもここよここよ、もされなくても。
NHKスペシャルで震災のドキュメントが始まった。3.11から13年、まだまだ語ることができない人もたくさんいるだろう。語ることが全てでもない。語られなくてもこちらが想像しなくてはいけない。私もあの年の5月から被災地へ何度か行ったがいまだに言葉にしようとすればあまりに淡々としてしまうから涙が出てしまう。外側から少し関わっただけでもそうなのだ。能登半島地震の映像にも東日本大震災の時の景色を重ねてどうしようもない気持ちに襲われた。何もできずただ気にしているだけの無力くらい持ちこたろよと思ったりもした、自分に。それだって被災地の方々の無力感とは比較にならないのだから。どうか東北にも能登にも暖かな春が訪れますように。日溜まりでみんな集まれますように。