21世紀の犬は、お犬様 #1


退職を機に犬を飼い始めた。

それからというもの、朝夕の散歩我日課になった。
仕事中毒の自分は、団地の向こう三軒くらいしか面識がなかったのに、犬の散歩のおかげで、いろいろな方と知り合い、話が弾み、顔見知りも増えた。
また、ブリーダーさんの紹介で、犬のオフ会にも参加。
なんと、初めて行くドッグランやドッグカフェ。
犬のおやつがコーヒー代よりも高い!!
山羊ミルク?犬のアイス?カンガルーの肉にニュージーランドのドッグフード。おもちゃも多種多様。
極めつけは、ドッグカフェに併設されているデコられた写真撮影スタジオ。もう、お犬様。


犬を飼うのは昭和以来だけど、昔は、犬は人間の残り物に味噌汁を味方かけたのが食事。すみかは外の犬小屋。散歩ついでにお買い物しても、犬は店の外でつないでおけばよかった。
なのに、同じ日本なのに、なんでこうなるの!!


退職を機に、犬を飼おうと思い、どうせ飼うなら小型犬。しかも、もし自分がなにかあったら、人に引き取ってもらいやすい犬種を選んだ。

ネットで見つけたブリーダーさんにアポを取って、契約にいった。なんでも、犬を見に行かないと契約ができないようになっているらしい。
出てきた子は、めちゃくちゃかわいい子犬。
なでなでしたら、目がとろーんとして、ペロペロなめてきて。もう、メロメロになってしまった。
つい、ブリーダーさんに、「この頃は、犬を家の中で買う人が多いみたいですねー」といったら、予想外の反応。
「犬を外で飼うつもりですか。それは、虐待です。そんな方には、ゆずれませんよ。」「無理に契約されなくてもいいですよ。うちは、東京からもお客さんがきて、この前は、東北の方がいらして、契約のあと、飛行機で送りました」「東京では、この犬種は○○万円以上します」と矢継ぎ早にいわれ。

せっかく電話でアポをとり、やっと見つけたワンコのために遠路はるばるやってきたのに。あわてて「うちは、当然、室内で飼うつもりですよ」とその場を濁したのだけど……

「フードは○○。これを守ってください。以前のお客さんは、勝手にフードを変えたから、犬が食べなくなって大変だった」と。
そして、犬の手入れ方法のレクチャー、よい獣医さんの見分け方まで伝授された。
やっと契約にこぎつける。この2週間後に法律で渡せる時期になるらしく、譲渡の日程をきめる。

そのときまで、指定された大きさを下回らないようなゲージとブラシ、櫛、犬のつめきり、トイレトレーをはじめ、必要なものをそろえるようにと一覧表を渡された。
犬の食器に水飲み容器に。ペットシーツ、おもちゃをはじめとしたグッズ、ああ、夏目さんがヒラヒラ飛んでいく。

2週間後引き取りにいったワンコ。かわいい。あまり泣かないなあ。おとなしいなあ。

しかし、ここからが大変。
「トイレトレーニングはできています。環境が変わると戻る場合があります」といわれてたけど、トイレでおしっこはしない、うんちもところ構わず。フードはふやかしてやらないといけない。ふやかしすぎると食べない。
仕事にいくときは、ゲージに入れたら、大泣き。もう、虐待してると思われるじゃないか。寝るときはクンクン夜中も泣くし。散歩はまだ連れ出してはいけないらしくて、気分転換に抱っこして外を歩く。もう、育児ノイローゼならぬ「育犬ノイローゼ」気味。

動物病院にも手当たり次第電話して、ブリーダーさんから教えてもらった呪文のような質問をして、条件に合った病院を探した。
早速、動物病院へ。
そこでもびっくり

パピー教室!!
犬に社会性をつける、飼い主と犬との信頼関係の作り方教室
動物病院で勧められたパピー教室。2週に一度、土曜日。合計四回。ドッグトレーナーがきて、トイレから、犬の歯磨きから、犬の社会性をつける子犬同士のふれあいがその内容。参加すると、看護師さんがパチパチ写真を撮ってくださる。トイレを失敗する子が多いなか、トイレに入っておしっこできたわんちゃんのオーナーはどや顔するし。気の強い犬はよその犬を追いかけるし。うちの子は、びびりらしく、逃げ専門。我が子の「公園デビュー」を思い出した。


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