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#6 本紹介その1『ミミズクと夜の王』

おはようございます。

次回公演「かみさまの絵本」で本の役をやることにちなんで、本番まで僕の好きな本の紹介をすることにしました!!
長いんですけど、良かったら最後までお付き合い下さい。

☆☆☆

今日紹介するのは、僕が一番好きな本です。
紅玉いづき先生の『ミミズクと夜の王』という本になります。

あらすじはこんな感じ↓

魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖、自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まりは、美しい月夜だった。―それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。

☆☆☆

この本、実は、皆さんよくご存知「電撃文庫」から刊行されています。ライトノベルを代表するレーベルですね。でも、あらすじだけ読んでもラノベ感無いと思いませんか?しかも挿絵が一切ないんです、この本。ラノベとしては異色の作品です。
まぁ僕にとって、ラノベだろうがなんだろうが、いい本はいいと思ってるので関係ないんですけど。

この本との出会いは、地元の図書館でした。
中学生の頃かなぁ…。たまたまだったんです。たまたま文庫の棚を眺めてたらタイトルが目に入って。手に取ってみてあらすじ読んだら面白そうだと思って借りて帰ったんです。
僕、ファンタジー作品大好きなんですよ。こう見えても。
それで、家に帰って読んだら、もう感動しちゃって。
小説読んでこんなに泣いたのは初めてでした。読み終わったあと、少しの間動けなくて。そのくらい感激してしまって。
その後すぐに、ママにお願いしてAmazonで買ってもらいました。この本は、一生手元に置いておこうと思って。それから何度も読み返してます。その度に号泣なんですけどね。

☆☆☆

このお話は、ファンタジー作品としては「王道」です。架空の王国の、架空のキャラクター達の暮らしや生き方を切り取った作品。現実世界の人間が転生したり、突然魔王になったり、タイムスリップしちゃったり、そんなことは何も起こりません。ただただ、人間と魔物が生きる世界のお話です。おとぎ話とか童話とかに近いかもしれません。
真っ直ぐすぎてつまらないという方もいるかもしれません。文章も稚拙な印象を受けます。でも、だからこそ伝わるものってあると思うんです。

なにが一番いいかって、登場するキャラクター全員が愛おしい。
メインはもちろん、ミミズクと夜の王(作中でミミズクは「フクロウ」と呼びます)ですが、王国の人間達やクロちゃん(森に住む魔物)も一人一人が愛おしいんです。やさしくて、脆くて、それでも必死に生きてる。その姿が、なによりもこの物語を彩ってくれます。

☆☆☆
(以下ネタバレ含みます。飛ばす方は次の☆☆☆まで)

幸せって?―

ミミズクと夜の王が魔物の森で一緒に暮らすことは、傍から見れば「人間の少女が魔物の王に囚われている」と捉えられます。
物語中盤、とある目的のため王国の人間達が森に攻めてきて、フクロウを捕え、ミミズクを救い出します。
お城に連れてこられたミミズクは、城の人間達にとてもよく世話をしてもらいます。ミミズクはそこで、人間のやさしさに初めて触れます。
この時、夜の王によってミミズクは、森での出来事を全て忘れています。夜の王も、ミミズクは人間達の世界で暮らした方が幸せだと考えるんですね。

でも、ミミズクは夜の王と森へ帰ることを選択するんです。もちろんミミズクは、自分によくしてくれた王国の人々のことも大好きなんです。それでも夜の王と森に帰ることが、ミミズクとっての幸せなんです。

他人には理解されないかもしれない。それでも、必ず自分にとっては幸せなことなんだと。自分の幸せって、他人の尺度じゃ計れないんだと、今ではそう思います。

☆☆☆

この本は、紅玉いづき先生の「人喰い三部作」と呼ばれている作品のうちの1作目です。せっかくなので、ほか2作品も紹介しておきます。

「人喰い三部作」2作目
『MAMA』

「人喰い三部作」3作目
『雪蟷螂』

ちなみに、『ミミズクと夜の王』には続編があります。ミミズクが主人公ではないのですが、同じ王国のお話です。

『毒吐姫と星の石』

どのお話もとても素敵です。
是非一度読んでみてください!!

https://www.amazon.co.jp/ミミズクと夜の王-電撃文庫-紅玉-いづき/dp/4048667769

それでは、今日はこの辺で。
明日は、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』を紹介します。

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