見出し画像

【終ヴィルFD】終遠のヴィルシュ マティスルート救済エンドの後日談感想

【ネタバレを含みます】




















救済エンド後日談のマティスくん、めちゃめちゃ落ち着いて丸くなっててよいですね…
前作ラストでヤバい人格をしこたま組み込まれてたけど、それらは表面化せず良成長を遂げていてほっとしました。

家督を継いだことを仲間たちに祝われるセレスとマティス。
アドルフが心底「よかったな…」みたいな安心しきった雰囲気を醸し出していて、アドルフ推しの私は崩れ落ちそうだった。

マティスくんは「弟として兄の罪を贖いたい」的なことを言ってたけど、家族の犯した罪を被る必要なくない?むしろマティスは被害者サイドだと思うんだが…
たくさんの命を犠牲にして産まれたことに後ろめたさを感じるのはわかるけど、悪事に加担した訳じゃないんだから変に気負う必要ないのになあって思った。

「二人で手を取り合って生きていこう」と決意を新たにするセレスとマティスを見ながら、リュカ先生が「 …ふふ。本当に見ているだけで心が温まる優しい光景ですね」と言っていて背筋が凍った。
リライバー化したマティスくんとあなたが大好きなセレスがくっつくんですよ?本気で言ってますか?こっっわ…

マティスくんはリライバー化を経て変わってしまった部分もあるけど「過去も未来も、共に生きた時間をまるごと宝物にして一緒に生きていこう」 といった台詞を聞いて「綺麗な感性はちゃんと受け継がれてる…」と安心した。

二人が幸せな日常を外からそっと見守るアンクゥ…
セレスに語りかける声がめっちゃやさしいのよ…😭隠居したジジイみたいな達観した含みがある声色してて「ああ、この人はもうセレスちゃんに関わる気がないんだな」って察してしまったよね。
このルートのアンクゥ、めちゃめちゃしっかり死神を演じてて草はえる…

アンクゥと久々の再会を喜んでいる間にメモリークラッシュを引き起こすマティスくん!
おい!!!私のマティスくんを実験体にしやがったな!!シアン・ブロフィワーズ!!!と思ったので
「通信機で助けを求める」
の選択肢を選んだら
カプシーヌに連絡を取りはじめたので慌てた
助けを求める相手を間違っている!!やめろ!!!!

…救済エンドの後日談なのに中途BADが用意されていて「どうして…」の顔になっちゃった。
簡単には幸せになれません、ということですか。そうですか、わかりました。この容赦のなさ、終ヴィルしてるわぁって感じがするな…

メモリークラッシュの仕様を知った二人は「このまま二人で死ぬか…」と早まりかけたが、カミーユたちが愛に殉じるに至った道のりを辿ってみるか、という話でまとまる。

ここから先はカミーユの過去を掘り下げるお話だった。要するに「カミーユはロザリーもお腹の子のことも心の底から愛していたよ」というストーリー。

うん…言いたいことはわかったけどさ…お前、マティスくんのことロザリーに会うための捨て駒にしてたじゃん。
カミーユがマティスくんにした仕打ちを思うとなに言われても響かないんだわ…
死んでしまったオリジナルのロザリーと子供のことを省みず、自分の心を満たすために研究に没頭していたことを思うと、この人の語る"愛"が空虚なものに思えてならない。

カミーユがロザリーとお腹の子を愛していたのは事実なんだろう。
ただ、カミーユはロザリーがいない世界を平穏無事に生きていけない人だから、彼女の愛を得ることに取り憑かれ、狂気に堕ちていったんだろうなーと思った。だから子供であるマティスくんのことも素材として使えたんだろうね。

長編恋愛叙事詩が書けそうなくらいのとんでもないBIGLOVEをもっていたけど、カミーユ自身はごく普通の人だった、ってあたりも狂気を加速させたのかなあと思う。悲しいね…

最終盤は1分1秒を大切に過ごすセレスとマティスが切なかった。
「あなたさえ傍にいればどんな結末でも受け入れられる」と言うセレスに対し、死に向かう苦しみをあなたに与えたくない、と慟哭するマティスくん…
「あなたと一緒なら耐えられる、と言えなくてごめんなさい…」と泣くマティスくんと一緒に私も泣いた

セレスちゃんは前作ラストで「どんなマティスでも何度でも恋をする」と言い、苦難を乗り越えてきた経緯をもっているから、痛みや苦しみを受け入れて生きることができるはずなんだけど、マティスくんはそれをさせたくないんだよ…

現マティスには複数の人格が内包されているけど、その中には前作ラストでセレスに危害を加えた人格もいるわけで。
マティスに記憶はなくても通り過ぎた過去たちが「これ以上セレスを傷つけるような選択をしてはいけない」と共に生きる選択を忌避させたのかな、なんて思ったりもした。

最期のリコリスの花畑のシーンな…
お互いを想い合うがゆえに死を選んだ二人の選択に大号泣だったわ…
マティスが死の間際に伸ばした手が届かないとことか、完成しなかった小説とかさ…切なさに切なさをこれでもかと掛け合わせてくるからもうだめだった。

救済…二人にとってなにが救済だったんだろう…(哲学)
二人に降りかかった出来事だけ見ると悲劇感が強いけど、二人の結末に悲壮感はなかったよね。
周りの人にも相談して二人で悩み抜いて得た終焉だからかな。
共にいられる時間こそ短かったけど、愛を貫いた幸せな生だったように思う。
失われるとわかっているからこそ伝えられる想いってあるよね。

その結末に辿りついたのはカミーユ&ロザリーあってのこと。同じ過ちを繰り返すまいと国を変えようと頑張ったマティスくんからは確かな光を感じたし、カミーユたちの不幸を「愛に殉じた生」と表現して単なる悲劇にしなかったところにもグッときました。

以上です。
はい……いや…めっっっちゃ切なくて心に響くストーリーでそれはよかったんですけど、他のキャラの救済エンド後日談が一気に不安になってきました。

前作でわりと光寄りの終わり方だったマティスくんがこうなるなら、あの、先生はどうなってしまうんでしょうか…!!???

少なくともアンクゥは生きて幸せを得てくれよな?あのパッケージ見て「彼に救いを!!」と思って買った人いっぱいいると思うし私もそうなんだよ…頼む…頼む…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?