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フィンセント・ファン・ゴッホ / メトロポリタン美術館
悪意のない悪意
自分では悪意だと思っていない悪意が、一番危険だ。訳を聞くと「傷つけるつもりではなかった」と言う。では、殺すつもりがなかったら人を刺してもいいのか。良いはずがない、とすぐにわかるのに。「傷つけるつもりではなかった」は、何の言い訳にもならない。
もちろん、勝手に傷ついたのは別だ。料理のために包丁を持っている人に抱きついて死んだ人に対して「傷つけるつもりではなかった」と言うのは当たり前。今は、包丁を振り回していた人について話している。
悪意のない悪意に気づくためにはどうしたらいいのか、わたしもわからない。わたしは常にニュートラルに生きていたいから、そもそも悪意のない悪意を抱きにくいようにできているけれど、だからこそ自分がそれを抱いたときに気づける自信は全くない。
悪意のない悪意の嫌なところは、その発信者に文句を言えないところだ。発信者は自分が悪意を持っていると思っていないから、何か言ってしまえばこちらが加害者になってしまう。距離を取るしかないのかなあ。でも、悪意のない悪意はどんどん擦り寄ってくるものだ。
悪意のない悪意は、どう防いだらいいものか全くわからない。また今度考えよう。
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