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R&D系派遣社員が登録型派遣について語るよ

どうもです、雨戸りんです。
諸事情あって新しい仕事を探すことになったので、この記事では「登録型派遣」という労働(雇用)形態について語りたいと思います。

※以下、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(派遣法)」を「法」と表記します。

※タイトルにも明記してあるとおり、私はR&D系登録型派遣社員です。
他業種とは多少異なる可能性があることをご了承ください。

登録型派遣とは

「登録型派遣」とは、労働者が派遣会社に自分の経歴やスキル等を「登録」し、派遣会社がその情報と派遣先企業の希望条件とを照らし合わせて社内で労働者を選考するといった雇用形態です。
労働者は契約期間中のみ、派遣会社に雇用されることになります。
賃金は時給制が多いです。

「一般派遣」、「有期派遣」等といった呼び方もあります。
この記事では「登録型派遣」という表記で統一することにします。

「登録型派遣」に対して、派遣会社の正社員として仕事先へ出向する「正社員型派遣(常用型派遣、特定派遣、無期派遣)」という雇用形態もあります。
そちらに関しては後日記事を書こうと思っています。

登録型派遣のメリット

私は、登録型派遣という働き方は自分に向いている労働(雇用)形態であると考えています。
まずはメリットについて挙げていきたいと思います。

※個人の感想を含みます。

得意な業務に集中できる

これは「登録型」に限らず「正社員型」でも同じことが言えますが、派遣社員は得意な(専門の)業務に集中できることが最大のメリットと言えるでしょう。

就業先の正社員の場合、業務内容に直接関係のない会議に参加する必要があったり、昇進するとデスクワークがメインとなり現場での業務に従事する時間が減っていきます。
派遣社員の場合、専門的な業務に従事するという契約内容であれば、そこから離れることはありません。

また、派遣社員には業務と直接関係のない雑用に従事させてはいけないことが法で定められています。
例えば、実験・研究業務に従事する派遣社員にラボの掃除や実験器具の洗い物をさせることは問題ありません。
ですが、他部署のエリアを清掃したり、といったような「実験・研究」に関係のない業務には、契約書にそういった旨の明記がない限り従事させることができません。

そのため、派遣社員は登録型も正社員型も、出世よりも専門業務に従事することを優先したい人に向いている雇用形態と言えます。

応募の際、業務に直接関係ない事項は伏せられる

これも前項と同じく正社員派遣も同様のことがいえるわけですが、派遣元企業が派遣先企業に労働者を紹介する段階では年齢、性別といった業務に直接関係のないプロフィールは伏せられます。

私の場合ですが、療養のために大学を3年間休学し、諸事情により9月に卒業しているため履歴書が必要な雇用形態において不利にはたらくことが多いです。
また、学士のため「大学で研究業務に従事していた」という職務経歴書を提出しても「どうせ実際は洗い物係でしょう」と軽くあしらわれることもあります。

ですが派遣社員として労働する場合はプロフィールには「国立大学工学部卒」とだけ表記され、経歴、資格、スキルや使用経験のある実験器具、測定装置などが記載されます。
経歴に関しても企業名は伏せられます。
年齢、出身大学、過去の就業先企業名等を自己申告するかどうかは労働者側の自由です。

ですので、書類上の学歴や年齢よりも実際の経歴やスキルを重視してほしいという考え方の人に適していると言えます。

仕事、条件をある程度選べる

登録型派遣社員として労働している方は、複数の派遣元企業に登録しているというケースが多いのではないでしょうか。
私もそのうちのひとりです。

というのも、派遣元企業によって取引のある(=労働者を派遣している)派遣先企業が異なったり、同じ派遣先企業での同じ業務でも時給等の待遇が異なるからです。

R&D系ですと、民間メーカーから大学まで広く取引のある派遣元企業や、民間メーカーに強いが大学との取引はあまりない派遣元企業等があります。
登録型派遣の場合、自分の働きたい派遣先企業に応募したり、より条件の良い派遣元企業からの就業を選択することが可能です。

長くても3年

派遣先企業は労働者を登録型派遣社員として3年を超えて雇用してはならないことが法で定められています。

環境の変化を好む人や人間関係のトラブルを抱えやすくリセット癖のある人にとっては、長くても3年で職場を離れることになることがメリットとなる場合があります。

登録型派遣のデメリット

登録型派遣という働き方を「自分に合っている」と考えて選択している私でも、デメリットを感じることはあります。

※個人の感想を含みます。

3年ルール

できるだけ長く同じ仕事先で就労したい人にとって一番のネックが、いわゆる「3年ルール」でしょう。
メリットの「長くても3年」でも軽く触れましたが、派遣先企業は労働者を登録型派遣という雇用形態として3年を超えて雇用してはいけません。
法としては直接雇用に切り替えさせることが目的なのでしょうが、3年が経過した時点で「契約期間満了により退職」となるケースが多いのが現実です。

そのため、同じ場所で長く就業したい人には不向きな雇用形態といえるでしょう。

なお、いわゆる「3年ルール」は登録型派遣という雇用形態が不安定であるために定められているものですので、正社員型派遣は3年を超えて同じ派遣先での労働が可能です。

労働日数の少ない月は収入が少ない

登録型派遣は時給制であることが多いため、業種にもよりますが、土日祝休みの場合は1月、5月、8月、9月、12月といった休日の多い月は収入が少なくなる傾向があります。
時給が高いと1日あたりの賃金も高いので、祝祭日の多い月の翌月の給料日は他の月との差に軽く凹みます。

世間体

非正規労働者の多いこのご時世でも、未だに「派遣社員」という労働(雇用)形態についての理解はあまり進んでいないように感じます。

実際に私が言われたことのあるものを挙げると、
「努力しなかったから派遣にしかなれなかったんでしょ」
「派遣でしか働いたことがないくせに」
「安くこき使える使い捨て要員」
あたりでしょうか。

まだまだ「派遣=能力が低い人」という偏見は根強いです。

おわりに

思ったよりも文字数がすごいことになってしまって、自分でもびっくりしています。
ちょっとしたレポート並です。

今回はここまで長々とお付き合いくださりありがとうございました。
派遣社員という働き方に関する記事はこれからも投稿していく予定です。
なにとぞよろしくお願いします。

見出しイラスト:みんなのフォトギャラリー

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