レッドウィング・ラインマンの話
レース・トゥ・トゥってご存知でしょうか?
ここで言うレースは靴紐(シューレース)の事。
つまさきまでシューレースを締めるブーツという意味なんですけど。
レッドウィングは職種別に特化したワークブーツを提供し続けてきたブランドというのは有名な話で、例えばペコスブーツは農夫さんが堆肥混じりの土の中で作業するために丈も長く腐敗に強いブーツをと作られたものとか、ポストマンは郵便配達員さんが芝生を痛めずに郵便物を届けられるように革短靴を平底にしたものであるとか、エンジニアブーツは鉄道機関士さんが、狭く熱い機関室で安全に作業するために燃える要素のある靴紐を無くしベルトバックルのブーツを用いたとか、アイアンレンジャーは鉄鉱石を採掘する作業員さんの足を守る為に、安全靴が無かった当時、つま先の革を二重にする作りにしたとか…
そんなワーカーに配慮した靴作りを行ってきたわけですが…
ラインマンブーツもそういったワーカー向けのブーツなんです。
「ラインマン」とは送電線を渡す高所作業を行う人達の事。
日本でもありますよね…
ベランダに出ただけでドキドキする高所恐怖症の自分には考えられない高さですが、そんな送電線を張り巡らせていく命懸けの作業に従事する作業員さんの為に開発されたのがラインマンブーツなわけです。
レーストゥトゥって言っても先っちょまで紐無いじゃん!って思うかもですが、この一番先のアイレット(靴紐の穴)部分が丁度足の指の付け根辺りに来ます。足の指の曲げ伸ばしは足裏のバランスを図る上で重要ですので、足指はフリーにしておく必要があります。
その上で、足指の付け根から足首にかけてをガッチリ靴紐でホールドする事で、ブーツの遊びを抑えながら靴底の感覚をバランス取りに察知する事が可能になるわけです。
もちろんソールは平底です。
命懸けの現場では重要な事ですよね…。
この足のホールド感に特化したラインマンブーツが自分も大好きで3足持っています。
内2足はオロイジナルレザーとオロラセットポーテージレザー
もーね…包み込むような履き心地☆
そんなラインマンに派生モデルもあるんです…
ラインマンのアッパーにストームウェルト仕様でラグソールを採用したモデル。
コレね…僕の勝手な推測なんですが
あるブーツに寄せたモデルなんじゃないかな…と。
山林火災を消火する為に飛行機からパラシュート降下する特殊消防部隊
通称「スモーク・ジャンパー」
その特殊部隊の人達もまた足の感覚を大事にしたレーストゥトゥのブーツを着用されるのですが…
キングオブワークブーツと呼ばれるホワイツ社が彼らの為に作ったブーツ…
その名も「スモークジャンパー」
なんか似てません?
レッドウィングの企画担当さんがちょっと洒落っ気で寄せてみたんじゃないかな…と。
信じるか・信じないかは、貴方次第…
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