イカ墨パスタリベンジ
遠い昔の記憶、私はレストランに来ていた。
小学校低学年くらい。家族といる。なんなら家族以外の人もいる。何か冠婚葬祭の帰りのような、日常とは違う雰囲気。初めて来る店。良さめな店だったのかもしれない。
そんな朧気な記憶の中で今でもハッキリと覚えていることがある。
それは、私が、そこで、イカ墨パスタを注文したこと。
当時TVか何かでイカ墨パスタの存在を知った私は、その文字通り異色の存在に憧れていたのだと思う。
そして
めちゃくちゃに残した。
くぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜
くぅ〜は違うか。
とにかく当時の私の舌には合わなかったらしく、2.3口食べてフォークを置いた。
注文する際、周りの大人達は「なんで?」となっていた。普段魚より肉が好き、ピーマン人参しいたけが苦手な最大公約数小学生が急にイカ墨パスタを注文したのだからそりゃそうだ。なんならやんわり止められた。「ナポリタンあるよ?」うるせえ。うっせぇわ。俺はずっと待ってたんだ。イカ墨パスタが置いてある店に来るのをよ。その時が来たのだ。あなたが思うよりイカ墨です。
それでめちゃくちゃに残した。
なんならキレてたかも。俺が。
最悪かい。
空気悪くなった気すらする。全然覚えてないけど。
そんな事変があった。
たまに思い出してもつらい気持ちになる。いや別にならないな。ただ妙にしっかりと覚えている。イカ墨パスタを残した罪悪感を今でも。まさに黒歴史。
それ以降私はイカ墨パスタを食べなかった。
なんとなく舌に合わなかった記憶はあるし、「食べよっ!」と決起しなければ食べずに生きていける類いのモノだと思う。口真っ黒になるし。
私は大人になった。
嫌いな食べ物の話になった時、「いや〜別にないんですよねぇ…」と場をしらけさせてしまうような嫌な大人に。
ふと思った。
今なら食える
あの頃の私を救いに行かねば
周りの大人達を救いに行かねば
みんなの未来を守らねば…
ドーーーーーーン!!!!!!!
サイゼリヤ来た。みんな大好きだから。サイゼリヤもみんなのことが、大好きだから。
青豆のやつも大好きだから頼んだ。
食べました。
うめ〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!
イカのうまみと程よい塩加減、思ったよりあっさりしてて一瞬で食べ終えた。
「ありがとう…」
自然と零れた。
長かったトラウマが払拭された瞬間だ。
リベンジだ。
イカ墨パスタリベンジなのだ。
登戸卍リベンジャーズとは私のことだ。
あ
今日はミリシタのニコ生があります!みんな見よう!
じゃ〜ね〜(真っ黒の歯を覗かせながら)
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