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ドングリと父とそれから私。

『Podcast』の存在を知ったのは、確か中学2年生だった。

長期休みの恒例で、父方の親戚の家に行く同中の車で父がドングリFMを流したのがきっかけだと思う。

同じ音声メディアであるラジオはよく週末の買い物の車の中で聴いていた。おかげで、日曜の黄昏時に流れる某平均的なサラリーマンのラジオドラマは好きな番組の一つである。

そんな訳でポッドキャストもすんなりと受け入れることが出来た。

最初は扱われている話題も余り知らないものが多かったから正直聞き流しているものも多かった。でも、徐々に知らない世界を覗いているような感じがして面白くなってきた。大人しか知らないような、田舎の山に囲まれた閉鎖的な世界では得られにくいような、そんな情報がたくさん詰まっていた。漫画にしてもそうだし、『しいたけ占い』なんてドングリFMを聴いていなければ知らなかったことだろう。同級生の流行のモノや音楽の話を聞いているより、ドングリのお二人のトークを聴いている方がずっと楽しかった。ただ、漫画に関してはクラスの男子の会話によく出てくる作品と番組で紹介されている作品が全く一緒だった時もあってそれはそれで面白かった。

いつしか、週末の買い物の車の中でもドングリが流れるようになった。人の名前を覚えるのが苦手な母親は、声の低い方がnarumiさん、声の高い方がなつめぐさんと覚えた。

今でも覚えているのは、買い物の帰りに『第483回 ぴえんとべびたっぴについて話しました』でなつめぐさんの「KP=かくれんぽ」発言で家族全員で大笑いしたこと。

大笑いした時の状況や周りの風景もしっかり覚えている。日本語は何故一文字変えただけで、しかも濁点を半濁点に変えただけでこんなに面白くなるのだろうか。この回は現時点で今まで聞いてきた回で一番笑った回である。ちなみに、自分が「ぴえん」を生まれて初めて聞いたのもこの回である。同じJKのはずなのに、己の精神年齢はとっくに成人を迎えていたらしい。しかも、当時中学生の妹が知っていたことはもっと驚いた。

高校生になってから自分のスマホを持ち始めたことによって自分でポッドキャストを聴くようになった。バス通学だったのでバスの中でよく聴いていた。しかし、バスのエンジン音は普通車に比べて一層五月蠅いため、narumiさんの低温ボイスは一瞬でかき消された。だから家で勉強しているときのお供でよく聴いていた。

ふと気づいたが、ドングリFMを聴き始めてから約5年。部活でチューバを吹いている年月の次に長い数である。そんなに長く聴いていたんだなーと同時に、そんなに長く、しかも今でも継続して配信できるお二人の力は凄いなと、今、感慨に耽っている。

ドングリFMをはじめとした様々なポッドキャストの番組を知るきっかけになったのはほとんどが父親である。COTENラジオを聴くようになったきっかけも父親だった。おかげさまで共通テスト対策でかなりお世話になりました。父との会話の中でドングリの話もよくするようになった。個人的には、同世代の父娘に比べて仲がいい方だと思っている。ドングリを聴くようになってからさらに深まったとも思っている。

大学生になって1か月が経った頃、父からSkypeでメッセージが来た。

今すぐ dongurifm 最新回を聴いてね!

父がこんなことを言うのは珍しかったからどうしたのかと思った。言われたとおりに聴いてみると、どうやら父が送ったお便りが読まれたらしい。

自分のために父がお便りを送ってくれたこと、そのお便りを採用してお二人が話してくれたこと。そのことすべてが尊いと感じた。特にパーソナリティのお二人から自分の将来について「大丈夫」と言って頂けたのは凄く心強かった。この回は今でも時々聞いている。が、父にはどう返信したらいいのか分からなかった。

すると3日後、父からまたSkypeでメッセージが来た。

dongurifm、お父さんが送ったお便り読まれたんだけど分かった?

相変わらずどう返したらいいのか分からなくて、結局グッドマークのスタンプだけ返した。あの時どう返信すればよかったのだろうか。今でも分かんないです誰か教えてください。
この回のお二人のアドバイスがきっかけで、今こうやって何かしら記事を投稿したり作業配信をしたりしている。

そして、この回を聞いた直後にあることを思いついた。

娘本人からメール送ったら何か展開面白くない?と。

はい、完全なる出来心です。でも何かここまでの流れで終わらせるのはもったいないと思ったし、お二人に、そして父に、お礼の気持ちを伝えたいなと思ったからというのもある。

という訳でお便りを送り、無事採用されました。

この回が公開された5日後、父からまたメッセージが届いた。

dongurifm聞いた!
せっかくだから、お父さんがお金出すので裏どんぐり入ったら?いろんな人いそうだし。(お父さんは入らないので自由にやって)
明日、一度電話くださいー

…え、裏ドングリ?あの裏ドングリですか?良いんですか?本気で言ってます?

何かしらメッセージが来ることは予想していた。でも、この展開は予想できなかった…。裏ドングリのことは度々本編でも話題にされていたので知っていたし興味があった。そして翌日、父と電話して無事、裏ドングリに入会することになった。

裏ドングリでの活動は自分にとって凄く良い経験になっている。

自分の世界が広がったことは一番大きい。世の中、色々な働き方や暮らし方が出来るんだなと改めて思った。裏ドングリに入って、住む場所も職種も全く違う人たちと話していると刺激的なことが多い。同世代のリスナーさんとつながれたことも嬉しかった。同じ裏ドン会員の方のポッドキャストも聴くようになった。パーソナリティのお二人と、同じリスナーの方々との距離が近づいたのが嬉しく感じる。
他にも裏ドン通信の記事を書かせてもらったり、narumiさんや941さんと1on1させて頂いたり、公開収録に参加出来たりと、もう良いことしかないっす裏ドングリ。
こんなこと、大学行って授業受けて、サークルやってバイトやってというだけでは経験できないことばかりだと思う。勿論、そこで得られることも多くあると思うが、個人的にはそれ以上のモノをこの裏ドングリの活動で得られていると思っている。

そんな訳でお父さん。こちらはおかげさまで楽しくアクティブに活動させてもらってます。だから、気にしないで裏ドングリに来てください。多分お父さんが来ても変わらず何かしらやってると思います。あと、ちょっと早いけど誕生日おめでとう。


ここまで長々と書いてきましたが、読んで頂き有難うございました。

このエントリーはドングリFMリスナーの「Advent Calendar 2021」という企画の21日目の記事です。

明日は平川文子さんが担当されます。

それでは皆さん、MerryChristmas。そして、良いお年を。

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