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良い事も悪い事も

 2023年3月16日

 最近,すごく良い事と悪い事があった.

 まずは,事務所の五年目以下の若手でNO.1を決める大会である,バカ爆杯の敗者復活戦で一位を獲ることができたので,決勝戦に出られることが決まった.

 先月,予選に出た際,三位という結果になり,正直,かなり凹んだ.それでも,やるしかないと思って,三人で過去ネタをライブで試して,敗者復活戦に何のネタをやるか決めた.また,僕の滑舌が何故だか,悪くなってきていたので,舌の体操をよくしていた.舌を上下にレロレロ動かす.

 敗者復活戦の当日に,ネタの展開を色々と変えた.個人的には,楽しく何も考えず,委ねてやってみようと決めていた.沢山動こうと思って,ストレッチもした.

 僕らの出順は二番目で,一番目がぬでさんだった.舞台裏で,ぬでさんがかなりウケていて,手が痺れてきた.血の気が引いてくる.あれほど,めちゃくちゃにやろうと決めていたのに,どんどん冷静になっていく.

 ネタが始まってからは,あまり記憶がない.それでも,良いトーンじゃないなとか間が違うなとか,悪いところだけ,思い出せる.だから,敗者復活戦では精一杯やったけど,純粋な実力不足を感じてしまった.本当に悔しかった.自分の思う通りに身体を動かせないのは,全て自分のせいなので,余計に悔しい.そんなこんなで,まさか一位を獲るなんて思っていなかった.寝耳に水だった.

 一位だった連絡が来た時,柿田さんと二人でカラオケ館にて個人練習をしていた.もう完全に切り替えていたので,ワオとどでかい声を上げた.カラオケにいて良かったと思う.柿田さんもすごいねぇすごいねぇと喜んでいた.そして,氷無しお冷ドデカサイズを飲んだ.のちに新井さんも来て,びっくりだねぇと言った.三人とも予想だにしていなかった.

 また,僕はSNSをやっていないので,バカ爆杯決勝の審査員が,アンジャッシュの児嶋さん,おぎやはぎの小木さん,北陽の虻川さんの御三方であることを知らなかった.最新の情報に全くついていけていない.ともかく,敗者復活戦の勝ち上がりと同時に柿田さんに教えてもらった.二重に嬉しい.頑張って生きていたら良い事もあるものだと思った.


 でも,この日の夜,悪い事,というより,悔しい事があった,K-PRO主催のいぶきというバトルライブで,ビリから二番目だった.出番中も,気持ちいいぐらいにすべった.一気に地面に叩きつけられたイメージ.そして,ネタ中,自分自身を上手く動かすことができなかったため,余計に凹む.どこかで思い上がっていた自分が恥ずかしい.

 いや,そうなのだ.僕らの実力のみじゃ,おそらく敗者復活戦を勝ち上がれなかった.いろいろな要因,そして,お客さんがいたからこそ,勝ち上がれたのだ.そこを忘れてはいけないぞと,人間よりも上位の存在とやらに言われたような気がする.僕ができることは,ひたすらコントの表現力を磨いていくことのみだ.一つの事をやり続けるのは,僕の長所だから.

 と,格好いいことを言って,前を向きたいものの,未だに落ち込んでいる.でも,日々は流れるから,それに合わせて,やっていくしかない.


 帰りに,新井さんと,グレープカンパニー所属のツンツクツン万博の内藤さんとお蕎麦を食べた.内藤さんは,一応,同期に当たる.僕はざる蕎麦を頼んだのだが,運ばれてきたお蕎麦がかけ蕎麦だった.温かいお蕎麦は苦手なので,また凹んだ.新井さんと内藤さんは,鴨蕎麦を食べていた.二人はネタ作りについて話していたが,僕はネタを書いていないので,外側から見ているしかなかった.

 JRの改札内で,内藤さんが手を振った時,なぜだか,僕はその手にハイタッチした.内藤さんは,お,おうと困惑していた.変な感じになった.あれはハイタッチじゃなくて,ただ手を振っただけかと西荻窪駅を通り過ぎたあたりで気づいた.


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