そして、バトンは渡された(瀬尾まいこ)

そして、バトンは渡された

という小説を読んだ。この本は2021年度の本屋大賞を取った本らしく、ふらっと立ち寄った本屋で衝動買いした。

正直、ストーリーの波が少ないほのぼの話だな〜と感じてしまった。

物語は、ほぼ主人公の女の子視点のみで構成されていて、親が変化していくなかで各登場人物との日常とそのときに感じていた心境がたんたんと記されていた。

読んでいて次のページが気になるということは少なく、途中で飽きが来てしまった。

僕が人生の若輩者であるがゆえに、登場人物に感情移入できなかったからかもしれない。

しかしこの本の中で一部だけ、今の自分が関われそうな文章があったので以下に示す。

「自分じゃない誰かのために毎日を費やすのって、こんなに意味をもたらしてくれるものなんだって知った。」


「自分のために生きるって難しいよな。何をしたら自分が満たされるかさえわからないんだから。金や勉強や仕事や恋、どれも正解のようで、どれもどこか違う。」


このセリフは、主人公にとっての3番目のお父さんのものだ。

3番目のお父さんは勉強して東大に行き、一流企業に就職したはいいものの、それからの人生の意味を見いだせずにいた。そんな中、子供と妻を手にして生活をすることになり、自分にはこの子を守っていく義務がある。そのために生きていくんだ。という感情が芽生えたらしい。

自分が幸せを感じるためには自分だけが満たされるだけでは良くなくて、誰かのためになれるから幸せを感じるんだ。

↑この言葉を再認識させられる小説でした。

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