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家族を思いだす晴れ空の日

金曜日のできごと。朝、駅まで歩きながら両親へ電話をした。母と話して父に代わったとき、「特に用事やないんやけどな」って言ったら、「たまに思い出して、こうやって電話くれたらええよ」って父が笑って言ったから、なんだか胸の奥がぎゅうっと締めつけられた気がした。

「なんよ〜! 毎日思い出してるから。電話するかせんかだけやし」と私は答えた。後でこのやり取りを思い出したとき、子供が親のことを想う回数や時間は、親が子供のことを想うそれと比べたらきっと微々たるものなんだろうと思った。この何気ないやり取りが親の愛情の深さに気づかせてくれたのかもしれない。

2月に発売した本『ANAの謎とふしぎ』も、JTBの交通ムック『旅客機と空港のすべて 完全保存版』も、「本屋で予約して買ったよ」と報告があった。2012年に発売された『旅客機と空港のすべて(初版)』は、私は書いていないのに、小さく写真に写っているだけで一緒に買ってくれたらしい。「残り1冊だったんよ」なんて言って嬉しそうだから、私も一緒に嬉しくなった。

平日の朝は毎日、羽田の町と羽田空港エリアをつなぐ弁天橋を通る。この橋を渡ると目の前には羽田空港が広がる。この場所でした、この電話のやり取りを、今日みたいな晴れた日に思い出しては胸がじゅんと温かくなるんだろう。今日もふと思い出しては、家族のありがたさに感謝した。家族と離れていると、さりげない優しさが心に染みる。

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