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ドジばかりのフライト

仕事柄、趣味柄、飛行機には乗り慣れているはずなのに、昨日の機内の私はとってもダサかった。まず、座席を間違えた。6A(6列目の左窓側席)なのに、7A席に座っていた。全く気づかずに、そこに座る夫婦に「すみません」と言われてはじめて気づく。しかも、のんきに写真を撮っていたものだから、迷惑極まりない。

今日の離陸は、風向きの関係で海側ではなく、町の上空を旋回して飛ぶルートだった。記事に添える写真のストックのため、機窓の風景が素敵なときは撮影をしたい──と考える私は、離着陸時にも電子機器を使えるようになって以来パシャパシャと撮れるだけの写真を撮る。それが、朝一便はビジネス客が多い。私も一応これから仕事に行くのに、なんか場違いな感じがして、スッとカメラを持つ手を引っ込めた。

しばらくしてシートベルトサインが消えると、座席前のテーブルを出してきて、仕事に集中した。飲み物はブラック珈琲をいただき、カップを片手に原稿の修正を進める。徳島から羽田までの飛行時間は1時間15分。いつのまにか機体は降下を開始していた。「お客さま、テーブルをお直しいただけますでしょうか」と客室乗務員に声を掛けられてハッとした。もう、シートベルトを着用し、座席のリクライニングもテーブルも元に戻さなければならなかったのだ。

こんなドジを繰り返したフライトで、自分自身にしょんぼりした。大好きな家族に会って気持ちここにあらずだったのか、会社に行く前に原稿直ししなきゃと焦っていたのか、それとも田舎ののんびり時間に慣れて、まだ頭がボケボケしていたのか──お昼に母に持たせてもらったお弁当を味わいながら、きっとどれも当てはまるんだろうなと思い出していた。

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