宇野昌磨という存在

私は普段、副業で在宅ワークをしている、その内容もライターもどきや小説を応募してみたり、実に気ままなものである。

でもファミ通の「ケプトの定時退社」の記事を改めて読んで、今、全ての仕事を放り出した(ちゃんと期間は守ってますよ)

これを、書かずにはいられなかった。

私が「宇野昌磨」という存在を知ったのは、もちろんフィギュアスケートの世界からである。トリノからがっつり見始めた。元々、高橋大輔選手、町田樹選手、織田信成選手という一時代を率いた素晴らしい男子選手のあとに登場して来た若手の一人だった。

早くもカナダに拠点を移し、今も活動する日本が誇るスケーター、羽生結弦選手がとても有名だが、五年後、同じシニアへ上がった選手が宇野選手だった。四回転を飛んじゃったり、特技のクリムキンイーグルはセクシーだし、はにかんだ笑顔といつもなんか眠たそうで、だが氷上に上がり曲が掛かる瞬間の覚醒するようなあの瞳が堪らなく好きで、キスアンドクライでのふにゃふにゃとしたお手振りやインタビューの時の止めどない汗を拭うティッシュ姿と「あ、そうですね」という何とも言えない脱力感誘うマイペースな発言が可愛い選手で「あ、好きだな」と思えた。スケーターなんだが、どこかゆるキャラのような可愛さはオタク女子をいとも簡単に心を掴んでゆく。

そうしてスケオタの私の心はすっかり「しょーまくん押し」になっていた。GPF常連になり、平昌オリンピックでは銀メダルを「そんなに緊張せず」取っていった。逆に弟の樹くんの方が緊張していたみたいだった(Twitterより)ああ、この子は才能があっていとも簡単にマイペースにやってるんだなとどこか舐めていた。

それは、とんでもなく、今考えても恥ずかしい位間違えている考えだったと私は土下座したい。

スケオタでもある私は、サブカルオタでもある。ゲーム、漫画、アニメ、映画なんでもござれ。だから、オタクなフィギュアスケーターの事も既に知っていた。ガチゲーマなこと、スマホ二台持ちで、海外に行く時には専用wi-fiも持ち歩いている事、大体据置き型や手持ち系のハードは持っている事、戦略型でどちらかというとe-スポーツ系のゲームをこよなく愛している事。きっとあつ森はやらないだろう、うん。平昌オリンピック直後の声優の花江夏樹・日高里奈が偶然インタビューしたラジオ「エジソン」ではアニメ好きなことと、ベイングローリーというかなり高度な戦略ゲームが好きな事が全国放送され、個人的には「うわー、ガチゲーマーなことがばれちまったかぁー!」なんて、なんかドヤ顔であった。押せる、そんな所オタク大好き。少しの情報でもそんな部分出してほしい。だが、フィギュアスケーターとしての実績がやはり先攻するのでその辺の趣味はその後あまり触れられないまま、数年の月日が過ぎた。

2019年シーズンは宇野選手にとって大変、苦難な時期であった。コーチはなく一人で練習し一人でキスクラに座っていた。結果も伴わない事も多かった。見ててとても辛かった、仏杯は結果より、キスクラの一人っきりで涙をこぼす姿が堪らなく叫び出したいくらいに寂しかった。せめて隣に共に感情を共有できる人たちが今まで当たり前の様にいたのに、今はいない。なんで?どうして?お願い!という気持ちで一杯だった。

その後、宇野選手はスイスに住むプロスケーターでメダリスト、ステファンランビエール氏にアドバイスを受ける事になった。振り付け師としても指導者としてもアイスショー出演者としても有名で、日本でも大人気の見目麗しいお方である。個人的に「ユーリ on ice!!!」を愛する一人としてランビエールコーチの登場には感謝せずにはいられない。素晴らしい表現者だと思うので。そこから確実に宇野選手は変わった。結果をあまり気にしすぎず、スケートを「楽しむ」ようになっていた。GPFは出場できなかったが、全日本四連覇という素晴らしいシーズンで終える事ができた。何より表情からしてとても明るかった。キスクラには隣にランビ先生が付き添ってくれていた。

結果が全ての世界ではあるが、スケーターとしての競技者の時間はとても短い、だからこそ素晴らしい表現者としての可能性を是非広げて、次のステップへ進めてもらいたい。それはファンとしてのひとつの願いでもある。

2020年、驚異のコロナが猛威を振るい気が滅入っていた。そんな時に突如現れた"OjiGaming”というyoutubeチャンネル。Twitterでは自粛期間中、兄のケーキを食べる姿や、トレーニングをする姿、可愛い子犬を飼う事になって喜ぶ姿を発信して、映し出していたはずの弟の樹くんがTwitterでなんか別の意味で凄く喜んでいる。なんだなんだ?とyoutubeを見ると、明らかにテレビでは見た事がない宇野昌磨がそこにいた。テンション高く、お友達のたーぼさん、ゴリさん(顔はまだ分からない)と、楽しそうにゲームのみをするしょーまくん。は?なんだ?これ?これは私はずっとずっとずっと見たかった、宇野昌磨ではないのか?と大興奮した。秒でチャンネル登録した。生きる希望が湧いた。スケーターとしての宇野選手も大好きだが、ゲーマーとしてのしょーまくんもだいっすきなのだ。むしろプレイスタイルなどもずっと気になっていた。TVで見る「あ、そうですね」とマイペースに答える姿とはまた違う、ゲームを楽しそうに笑顔でただプレイするしょーまくん、そして見た目ごついが誠実そうなたーぼさん、顔は相変わらず見えないがいじられ愛されキャラのゴリさんと、本当に性格のごとく友人に恵まれているなと心から思えた。良かったねえ、本当に。

このチャンネルで救われているのは、決してファンだけではないと思うのよ。

さて、それだけなら良かったのだが、話はそれだけでは終わらなかった。やっとここでファミ通さん(あのファミ通さんだよ!)が記事を出した「ケプトの定時退社」の放送決定である。あまりの出演交渉と出演日時への早さに驚き、Twitterでまずその話題で沸いた。スマブラでほぼ日本でトッププレイヤーである方との対戦やゲーム歴なども聞ける、オタク、これ、見逃せない。

当日は月曜日夜(金曜日じゃなかったっす)ということもあってか、大反響で視聴者数27000人超えの凄まじい反響となった。しょーまくんはほぼスケートの話はしなかった。今まで話せなかった配信者さんの話、好きなスマブラの試合の話、キャラの話、そしてkeptさんとの対戦。ここでkeptさんが真摯にゲーマーとしてしょーまくんとの会話を進めてくれた事は、本当にゲーマーの一人としても好感が持てて、素晴らしい方だなと思いました。

さて、対戦になりしょーまくんの対戦スタイルについてコメントでも追いつけない位、様々な意見が飛び「フィギュアスケーター」ということなんて皆忘れてたんじゃないかと思うくらい熱い意見が飛んでいた。とんでもなかった。keptさんも仰っていたが「驚くくらいマジメで丁寧」なスタイルだった。

ああ、そうなんだよな、と妙にストンと納得できる自分がいた。

マイペースで何でもするっとできそうだと思っていたけど、知れば知るほど恐ろしい程のストイック、努力家、驚く位頑固、何事に対してもなんか一生懸命でそこが感動させられるところだと思う。弟、樹くんの著書でもストイックな素顔が垣間見えて本当に驚かされた。

2年前の7月、カザフスタンの英雄、フィギュアスケーター、デニステン選手が殺されるという激震のような哀しみがフィギュアスケート界に駆け巡った。その時、世界選手権エキシビジョンに参加した宇野選手は「see you again」という演目をテン君へ伝えた。何度も滑られているが、この曲は今は亡き友人へ向けた「また会おう」という想いが込められた大切な曲である。大切な友人へ上下黒いシックな衣装で、静かに滑った動画もyoutubeに上がっているが何よりも気持ちが込められた素晴らしい演技だった。是非観て頂きたい。

2019年という激動の一年のオンシーズンを越え、2020年、再びオンシーズンが始まる前に、いい友人たちと新たにyoutubeをはじめ、スイスへ渡ってもきっと、彼はそのマジメさと頑固さでスケートとゲームの両刀でがんがん進んで行ってもらいたいと思う、これからスイスで一緒になる島田高志郎くんやデニスくんや、ランビ先生、皆巻き込んでゲームという世界共通の楽しみでもっとスケートもゲームも楽しんでもらいたい!

そんな彼をこれからもオタクは、変わらず押していきます!

”ファンは好きなアスリートが苦しんでいることを知っている。だから、たくさん笑ってほしいのだ。”(ファミ通コラムより)

この一文で私はこのnoteを書く事を決めた。ありがとう、ファミ通。そしてありがとうゲーム、これからも愛して行くぜ。

余談だが、ojigamingの後日談で、時間が合えばしょーまくんは配信者さん達と対戦もしたいらしい。それって絶対オファー来るよ、大丈夫?いや、ガチで多分めちゃ来るよ、ショーグンさんとか我が物顔で来るよ大丈夫?

オタク的には問題なーし。楽しいしょーまくんがあればオールOK!

では、私はやっと仕事に戻るのである。おつかれっしたー!


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